2012 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系細胞の分化転換機構解明を目指したエピジェネティック解析
Project/Area Number |
23659862
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
二藤 彰 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00240747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 和久 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (90252692)
荒木 良子 独立行政法人放射線医学総合研究所, 研究基盤センター, 室長 (40392211)
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Keywords | 細胞分化 / メチル化 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
Estradiol 添加でMyoDを発現誘導できるレトロウィルス pBabe-MyoD-ERを線維芽細胞10T1/2に対して感染させ、Estradiol 、tamoxifen(4-OHT)により筋芽細胞様の形態変化が速やかに起きることを確認した。 4-OHTによる発現誘導時に ヒストンアセチル化阻害薬TSAを処理すると、筋肉への分化が抑制され、myogeninの発現誘導が顕著に阻害された。この効果は mimosine, thymidineによる、細胞増殖抑制の場合も同様に観察された。従って、MyoDによる筋肉への分化転換は細胞増殖が必要であることが示唆された。 次に、myogeninプロモーターのシトシンメチル化解析をbisufate sequencingにより行った。エンハンサーから第一イントロンに至る領域でのすべてのシトシンのメチル化を解析した。colony PCRを行い、それぞれ20から30クローンをサンガー法にてシークエンス行ったところ、4-OHTによる発現活性化によって局所で特異的にメチル化レベルが下がり、mimosine, thymidineによる、細胞増殖抑制ではメチル化の減少が阻害されると思われる部位が見いだされた。ここでさらにシークエンスコロニー数を増やして各80クローン程度行ったところ、メチル化レベル変動は顕著には認められなくなったため、amplicons の deep sequencingを行った。10000 reads以上解析したところ、4-OHTによる発現活性化のみならず、細胞増殖抑制による分化阻害時にも、どのシトシンにおいてもメチル化の変動は認められなかった。MyoDによる分化転換に伴っておきるmyogeninの発現誘導には脱メチル化機構の関与は薄い可能性が示唆された。脱メチル化以外の別のエピジェネティックな変化を想定し、更なる解析を行っている。
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