2011 Fiscal Year Research-status Report
PETトレーサを応用した標的蛋白発現トリガー/安定化リガンドによる癌治療法の開発
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23659880
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 英隆 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80136499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清島 保 九州大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (20264054)
小林 家吉 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40243951)
永田 健吾 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (90189134)
和田 裕子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70380706)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 腫瘍治療 / PETトレーサー / 遺伝子/蛋白発現調節 |
Research Abstract |
本研究課題では、癌組織を標的化して癌組織にのみに抗腫瘍性と関連する遺伝子・蛋白の発現調節を行うことを目的とする。トレーサにより標的蛋白発現トリガー/安定化リガンドを腫瘍組織まで誘導させ、標的癌細胞における導入遺伝子の選択的発現や発現した不安定化蛋白の安定化を図る。 mRNA発現調節系および不安定蛋白質発現量制御を細胞内および組織内で確認するために、まずはGFPを発現蛋白として検索した。不安定蛋白質発現量制御によるmRNA発現量は導入細胞株間で差が生じ、産生された蛋白の安定化についても株間差が見られた。よって、プロモーターの変更、リガンド添加量やタイミングを含めて検索を進めていく。 このシステムに組み入れようと検討している標的蛋白および標的遺伝子siRNAの抗腫瘍効果も検討した。抗腫瘍能が期待される蛋白の一部を欠失させた遺伝子を扁平上皮癌細胞株に導入したところ、細胞生存率が減少してアポトーシス誘導が確認された。また、腫瘍マーカーとして臨床的に用いられるSCCA1/2に対して結合部位の異なるsiRNAを数種類用意して検索を行った。SCCA1/2は、セリンプロテアーゼ阻害因子SERPINB3/4 とも呼ばれ、種々の外部刺激によるアポトーシス抑制に関与する。SCCA1/2 (SERPINB3/4)に対するsiRNAを扁平上皮細胞株に導入したところ、どれもがSCCA1/2 (SERPINB3/4)のmRNA量を明らかに減じさせた。しかし、siRNAの結合部位によって細胞形態変化やアポトーシス誘導に差が見られたため、より詳細な検索を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
mRNA発現調節系によってmicroRNAの応用も考えられることから、抗腫瘍性を期待するいくつかの標的遺伝子の機能抑制実験および部分欠失蛋白発現実験を行った。これらは予定であったものであり、実験順を一部変更して進めており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を踏まえて、以下の実験を展開し、併せて標的遺伝子・蛋白の発現調節による抗腫瘍効果の捕捉実験を培養細胞系においても行う。 mRNA発現調節系および不安定蛋白質発現量制御システムを備えた扁平上皮癌細胞/不死化角化細胞を移植した動物にて腫瘍組織特異的発現の評価を行う。また、担癌マウスを用いて標的遺伝子・蛋白の発現調節による抗腫瘍効果を評価する。主に組織切片を用いた評価とし、一部分子生物学的検索を行う。取り出す組織は腫瘍部のみではなく、脳、心臓、肝臓、唾液腺、腎臓、腸および脾臓なども組織標本とする。 検討項目は、トレーサ注入前後の正常組織および癌組織におけるGFP 発光領域の確認、プロモーターや腫瘍組織特異的発現因子のプロモーターに切り替えた場合の組織発現特異性の評価およびトレーサの集積範囲を抗トリガー/リガンド抗体を用いて免疫組織化学染色法にて判定などとする。 これらの結果を検討して改善点の焙り出しと、目的蛋白のバックグラウンド発現抑制効果を考察し、今後の戦略の構想の礎とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究に動物実験における標的遺伝子・蛋白発現調節による抗腫瘍効果を一部追加するが、研究費の使用計画は交付申請書に記載した内訳に従って使用する予定である。
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Research Products
(7 results)