2012 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病と歯の喪失・咬合の関連メカニズムの分子基盤
Project/Area Number |
23659900
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
赤川 安正 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (00127599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道川 誠 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40270912)
宮本 泰成 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (00555146)
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Keywords | 歯の喪失 / アルツハイマー病 / ステップスルー型受動的回避試験 |
Research Abstract |
アルツハイマー病と「歯・咬合の喪失」の関連メカニズムを分子生物学的および生化学的に解明する事を目的として,アルツハイマー病を実験的に発症させるAPPトランスジェニックマウスを用い,歯・咬合を実験的に改変した状態での脳内アミロイドβ蛋白の動態を解析した. 6ヵ月齢のAPPトランスジェニックマウスを上顎両側臼歯を抜歯した抜歯群と未処置の非抜歯群に振り分けた.この時,ステップスルー型受動的回避試験装置を用いて行動実験を行った.抜歯処置から4ヵ月の飼育後,再度行動実験を行い,マウスを屠殺した.マウスの脳組織からアミロイドβ蛋白を抽出し,ELISAキットを用いて抜歯群と非抜歯群における脳内アミロイドβ蛋白の沈着量の差を検討した.さらに,脳組織標本に免疫組織学的染色を施し,脳内のアミロイドβ蛋白の沈着を光顕的に観察した. その結果を以下に述べる.6ヵ月齢で抜歯を行って歯・咬合を実験的に改変させた抜歯群のマウスは未処置の非抜歯群のマウスと比較すると学習・記憶・認知機能の低下が認められることが示唆された.脳内のアミロイドβ蛋白による検討では,モデルとした実験動物の特性により,未だ明らかなアミロイドβ蛋白の沈着は見られないことが明らかとなった。 これらの結果から,アルツハイマー病の発症にはAPPから産生されるアミロイドβ蛋白の凝集・沈着が強く関与しているとされる「アミロイドカスケード仮説」と「歯の喪失・咬合の喪失」の間に明確な相関は認められなかったたものの,抜歯により学習・記憶行動に影響を及ぼすことが示された.
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Research Products
(1 results)