2012 Fiscal Year Annual Research Report
食育推進のために咀嚼習熟期の幼児に推奨される食形態の検討
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23659970
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
井上 美津子 昭和大学, 歯学部, 教授 (20112724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾野 理加 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (50297016)
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Keywords | 食育推進 / 咀嚼運動 / 三次元動作解析 / 口唇・顎の動き / 作業側口角点 / 非作業側口角点 |
Research Abstract |
食育を推進するうえで,幼児期の咀嚼能力に適した食品の性状(食形態)を明らかにすることは,咀嚼の発達や習熟を促すために重要である。しかし小児では装置を用いて顎運動や舌の動きの解析を実施することに困難を伴いやすい。そこで本研究では,外部から容易に観察できる口唇と下顎の動きを撮影し,三次元的に解析することで咀嚼時の口唇・顎の動作解析を行うこととした。 基本的な計測方法と解析方法の確立のために,成人女性20名を対象としてビスケット1gを摂食時の口唇と顎の動きを2台のCCDカメラで撮影し,設定した計測点の運動軌跡を三次元的に解析した。作業側・非作業側の口角点と下顎のオトガイ点の動きの関連をみたところ,XY方向では作業側口角点とオトガイ点の動きは連動していたが,非作業側口角点はオトガイ点の動きと関連が低く作業側口角点とはX方向で反対側への動きがみられた。またXZ方向では非作業側口角点はX,Z両方向に同時に動いていたが,作業側口角点はZ方向への動きが先行する傾向が強かった。 口角点とオトガイ点の移動量と所要時間の関係をみると,Y方向の作業側口角点とオトガイ点の移動量の間に相関がみられた。またX方向では非作業側に比べオトガイの移動量が有意に大きく,Z方向では非作業側に比べて作業側の移動量が有意に大きかった。最大ストロークの所要時間では,Z方向では作業側,非作業側間に相関がみられ,X,Y方向では作業側の所要時間が短くなっていた。 今回の結果から,作業側・非作業側口角点とオトガイ点の動きの方向や移動距離,所要時間などについての関連が明らかになり,咀嚼に伴う口角の動きの特徴が把えられた。幼児を対象としての計測にあたっては,成人女性の計測条件の設定を変更する必要があり,椅子の高さや頭部の固定装置を調整してパイロットスタディを行っている。今後は幼児での計測・分析を継続して実施していく予定である。
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Research Products
(5 results)