2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659976
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (90524984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 剛徳 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30263304)
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Keywords | 歯周組織 / オートファジー / 老化 |
Research Abstract |
成人の歯周組織は、様々な環境ストレスに常時暴露されることで老化が進行する。本研究では歯周組織構成細胞、とりわけ歯根膜細胞の増殖、分化および老化の過程における細胞内大規模蛋白分解機構―オートファジーの生理学的役割を明らかにし、新たな歯周病診断治療法開発のための基盤情報を構築することを目的とした。 まず、マウスの歯周組織歯根膜より樹立した細胞株、並びにヒト歯根膜初代培養細胞を用いたin vitroオートファジー実験系の樹立を目標とした。これらの細胞株がオートファジー関連遺伝子であるATG5, ATG7, LC3を遺伝子レベル並びに蛋白レベルで発現していることを確認した。歯根膜細胞に誘導される細胞内小胞形成がオートファゴソームであるか否かを検討する為にオートファゴソームをEGFP-LC3, ライソゾ ームをLysotracker で標識し、共焦点顕微鏡を用いた形態学的な観察並びに生化学的解析により検討を行い、実際に、透過型電子顕微鏡観察で確認を行なった。オートファジー誘導剤 ラパマイシン並びにオートファゴソーム形成の阻害剤である3-MA、CQで処理した際に誘導される小胞形成をモニタリングすることにより細胞内オートファジーが歯根膜細胞においても活発に作動、機能していることを確認した。 オートファジーの機能の低下は、歯根膜細胞において、細胞内における異常コラーゲン蛋白質の蓄積をもたらし、ECM蛋白の産生、分化を抑制した。興味深いことに、歯根膜細胞において、酸化ストレスにより誘導される細胞内ROSの分解にはオートファジーの賦活化が重要であることが明らかとなった。 これらの情報は、オートファジー制御による老化歯周組織の賦活化の可能性を示唆するものであり、新たな歯周病治療法樹立の為の基盤情報となる有意義なものである。
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Research Products
(2 results)