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2012 Fiscal Year Research-status Report

日本人看護師の「行為についてのリフレクション」のメカニズムの解明と教授方法の開発

Research Project

Project/Area Number 23660010
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

前田 ひとみ  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (90183607)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田村 由美  滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 教授 (90284364)
武藤 雅子  活水女子大学, 看護学部, 講師 (40585147)
Keywords看護学教育 / 内省 / リフレクション / 実践思考能力
Research Abstract

看護学生が臨地実習の中で印象に残り振り返りたいと思った場面のReflective Journal (以下RJ)をもとに、質的統合法(KJ法)を用いて分析した。その結果、RJで取り上げられていた看護場面は、【患者のニーズへの対応困難:患者の真のニーズや対応がわからないことによる戸惑い】、【コミュニケーションがとれない患者への対応困難:繰り返される質問や拒否的態度への戸惑い】、【患者に負担をかけた体験:状況把握不足からもたらされた患者への負担】、【患者からケアを拒否された体験:熟考したケアに対する予測とは異なる患者からの拒否的反応】、【戸惑いの中でのケアへの参加:看護師の助言によりケアに参加できた喜び】、【患者からの承認:患者の喜びとケアに対する手ごたえ】といったシンボルマークに統合された。
次にリフレクションを通して学生にもたらされた気づきを分類した結果、【患者よりも自分の思いや立場を優先している自分】、【予想外の出来事に対応しきれない自分】、【否定的な感情に対し客観的に考えて対応できる自分】、【患者の思いに寄り添うことができる自分】、【恐れを感じるものを避けてしまう自分】、【患者と共に喜びを感じられる自分】のカテゴリが抽出できた。ケア場面での看護学生の感情と患者の不安や怒り、喜びなどの感情を改めて問い直し、それらを結びつけながら分析した結果、これらの気づきが導かれていくことが明らかになった。このように経験から自分の価値観や特性といった気づきを導くためには、思考や知識とともに感情の分析をし、これらを統合していく段階が必要であることがわかった。
また、継続教育としてのリフレクションについては、現在、調査中であるが、臨床現場では継続した取り組みをしている医療施設は少ないことが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでの研究で看護学生の気づきをもたらす「行為についてのリフレクション」の要素を明らかにすることができた。看護学生についてはさらにデータを増やして、現在、分析中である。
また、初心者レベルと一人前レベルの看護師の「行為についてのリフレクション」のデータ収集と支援を受けてリフレクションを体験した看護師と支援を行った看護師の両方を対象にどのような支援が効果的であったかについてのデータ収集を行っている。看護師に対する調査は面接調査を計画していたが、臨床現場では継続した取り組みをしている医療施設が少なく、対象者のリクルートが難しい上に、時間的制約等があり、面接による調査についての同意をを得ることが難しい。そこで、面接調査ではなく質問紙を用いた調査を現在、検討中である。しかし、本年度、医療施設の協力を得て、グループによるリフレクションを行うことができたことから、来年度は調査を行い、データを収集することができる。
以上のことから、ほぼ計画通りに進行していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

RJをもとに看護学生の思考や感情の分析内容とこれらの統合過程を分析することによって、気づきをもたらすリフレクションの構造を明らかにする。その後、結果をもとにリフレクションのプロセスをアセスメントするための指標を作成する。
また、初心者レベルから一人前レベルの看護師を対象としたデータ収集を継続し、リフレクションによる思考と感情の分析や統合する過程の深さと広がりや支援の効果について検討していく。これらをもとに、「行為についてのリフレクション」教育のプログラムと評価尺度を作成する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

臨床の看護師を対象とした調査は、質問紙による調査の後に面接調査を行うことを計画していることから、調査のための旅費が必要である。また、対象者には調査協力の謝礼としてのインセンティブに関わる費用が必要である。
分析にあたっては、質的統合法(KJ法)やテキストマイニングを使用した解析を考えている。分析の信憑性を高めるために、スーパーバイズを受ける必要があり、謝金と旅費が必要である。
結果の公表を行うための学会参加費や旅費並びに論文投稿のための費用が必要である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 看護学生が臨地実習で振り返りたい場面の構造2013

    • Author(s)
      前田ひとみ,南家貴美代,古庄夏香,他
    • Journal Title

      熊本大学医学部保健学科紀要

      Volume: 9 Pages: 53-62

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 看護学生の《自己への気づき》を導くリフレクティブジャーナルの開発2012

    • Author(s)
      松永麻起子,前田ひとみ,山田美幸
    • Organizer
      日本看護学教育学会 第22回 学術集会
    • Place of Presentation
      熊本県立劇場
    • Year and Date
      20120804-20120805
  • [Presentation] 日本人看護師に対するリフレクションの学習方法を考える2012

    • Author(s)
      前田ひとみ,田村由美,津田紀子,他
    • Organizer
      日本看護学教育学会 第22回 学術集会 交流集会
    • Place of Presentation
      熊本県立劇場
    • Year and Date
      20120804-20120805
  • [Presentation] リフレクティブジャーナルを用いた看護学生の《自己への気づき》を導く思考の特徴2012

    • Author(s)
      松永麻起子,前田ひとみ,南家貴美代,他
    • Organizer
      第38回日本看護研究学会学術集会
    • Place of Presentation
      沖縄コンベンションセンター
    • Year and Date
      20120707-20120708

URL: 

Published: 2014-07-24  

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