2013 Fiscal Year Research-status Report
日本人看護師の「行為についてのリフレクション」のメカニズムの解明と教授方法の開発
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23660010
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
前田 ひとみ 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (90183607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 由美 滋慶医療科学大学院大学, その他の研究科, 教授 (90284364)
武藤 雅子 活水女子大学, 看護学部, 講師 (40585147)
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Keywords | 看護学教育 / 内省 / リフレクション / 実践的思考能力 |
Research Abstract |
今年度は卒後教育に焦点を当て、新人看護師の臨床体験に対するreflectionについて分析した。卒後教育として、定期的に臨床体験のreflectionを取り入れている医療施設の7名の看護師に面接調査を行った。臨床体験のreflectionの支援者は全員がプリセプターであった。臨床体験のreflection体験の特徴は181コード、89サブカテゴリー、37カテゴリーからなり、reflection体験については概ね自己の成長に必要なものと受け止めていた。【場所は2人だけで話しやすかった】と個室を準備され、【話を聞いてもらえた】り、【行動を否定されなかった】ことから【新人の体験を理解してもらえた】と新人看護師は受け止めており、その結果【自分から話せる機会になった】【自分の行動を深く考える機会になった】と意義も認識できていた。また、新人看護師として成長に必要な【学習すべき点を指摘された】【自分で理解できる方法の助言を受けた】ことや【行動につながる助言を受けた】ことが示され、【自分で理解できる方法の助言を受けた】と認識していた。プリセプターにreflectionの支援を受けたことで、【先輩に接近できるようになった】と先輩への親近感が増していたが中には【正直に全てを話せなかった】【助言の方法によっては本音を言えなくなる】【プリセプターによって教育方法が違う】と自分をオープンにして正直に体験を語るという新人看護師の役割やプリセプターが問いかけによって気づきを引き出すという役割が果たせていない様子も伺えた。臨床体験のreflection後の臨床実践の変化は、24コードが抽出でき、主に患者に対する姿勢を示していた。新人看護師なりに看護観を描けるようになり、看護への志向性を考えられることが示された。今後、どのような支援が有効であるのか、さらに調査対象者を増やし分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リフレクションを定期的に取り入れている教育機関や医療機関が少ないことから、調査対象のリクルートに予想以上に苦慮している。一時的なリフレクションでは行動にどれだけ結びつくかの評価が難しいため、リフレクションを定期的に取り入れたプログラムを意図的に行い、その評価を行う必要がある。卒後研修等のプログラムは前年度の冬には大凡決定されるため、その調整に手間取ったことから、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
アクションリサーチとしてリフレクションを定期的に取り入れたプログラムを導入してもらえる医療施設を設定できたことから、来年度はその施設を中心にデータ収集並びに評価を行うことが可能である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
リフレクションを定期的に取り入れている教育機関や医療機関が少ないことから、調査対象のリクルートに予想以上に苦慮した。また、リフレクションを定期的に取り入れたプログラムを意図的に行い、その評価を行う必要がある。卒後研修等のプログラムは前年度の冬には大凡決定されるため、その調整に手間取ために、予定年度は終了できなかった。 今年度はアクションリサーチとしてリフレクションを定期的に取り入れたプログラムを導入してもらえる医療施設を確保できたことから、来年度はその施設を中心にデータ収集並びに評価を行うことが可能である。そこで、プリセプターによる新人看護師に対するリフレクションプログラムを定期的に実施することにより、新人看護師とプリセプター両者の思考プロセスと評価の解析を行う。助成金は主に協力施設への旅費、面接調査のテープお越し、協力者への謝金として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)