2012 Fiscal Year Annual Research Report
末梢静脈可視性支援機器の開発-臨床使用に向けた性能を満たす試作器の開発-
Project/Area Number |
23660012
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
木森 佳子 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (30571476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 和代 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (40157855)
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
宮地 利明 金沢大学, 保健学系, 教授 (80324086)
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Keywords | 可視化 / 末梢静脈穿刺 / 透視技術 / 画像処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は危険性が高く、技術難度の高い医行為の一つである末梢静脈カテーテル留置法を安全・確実に実施するため、目視困難静脈を可視化する機器の開発である。静脈を可視化する機器はいくつかあるが、我々は、臨床で重要視される安全性・実用性を包含した機器の開発を目指す。臨床ニーズを満たす静脈像の具体的な性能は、1.目視困難対象静脈の可視化、2.可視化静脈の深さ表現である。 平成23年度は、深さ7mm程度までの静脈を可視化する試作器を作成、静脈像のコントラストを強調する画像処理技術を開発、試作器に搭載した。そして健常者の目視困難静脈モデルを対象に評価した。その可視化率は試作機が83.3%、既存機器が43.3%で有意に試作器が既存機器より高いということがわかった。しかし、臨床からみて可視化率と深さ表現について不十分であると評価される可能性があるため、平成24年度は画像処理技術を主に改善した。改善した試作器を用い、臨床の高齢者の目視困難静脈で評価した。その結果、採血法に用いる部位の目視困難静脈の可視化率は、既存機器が56.0%、試作器のそれが86.0%、留置カテーテルに用いる部位の目視困難静脈の可視化率は既存機器が77.8%、試作機器のそれは93.5%でどちらも有意に試作機器の可視化率が高く臨床適用性の高さを示した。しかし、深さ表現に関しては、近赤外光の波長と静脈深度の関係性から差分解析法を試みたが、画像表現は臨床ニーズを満たすに至っていない。今後、静脈の深さ表現が可視化されることがさらに望まれる。
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