2011 Fiscal Year Research-status Report
看護学生が加齢の外皮系変化の理解を深めるモーフィングを用いたアセスメント教材開発
Project/Area Number |
23660029
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Research Institution | Gihu University of Medical Science |
Principal Investigator |
廣川 聖子 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 講師 (30389100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島谷 智彦 広島国際大学, 看護学部, 教授 (80325191)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 看護学生 / 外皮系変化 / モーフィング / アセスメント教材 |
Research Abstract |
看護学生のフィジカルアセスメント能力を育成するために、外皮系(皮膚・爪・毛髪)の、しみ・しわ・変色などの加齢による変化や、浮腫・びらんといった疾患・症状から見られる逸脱した外見的変化を、モーフィング動画として学習できるCAI教材の開発を試み、その妥当性を評価することを目的とし、研究1年目の平成23年度は、実験プロトコルの検討とCAI教材の学習効果を確認することに重点を置いた。具体的な研究成果としては、(1)青年期と向老期~老年期の、外皮系の特徴を示す画像とデータを収集するために、皮膚専門家による肌の老化の基礎知識と加齢の変化についての講義を受けた。また、皮膚測定時の使用機器の選定、測定方法、評価手法についても、皮膚専門家から講義と演習を受けた。演習では、本研究での、張り・たるみ、水分・油分などの各項目の効果的な測定部位と順序を検討した。これらの知識をもとに、外皮系の特徴を示す画像とデータ収集のための、実験プロトコルと問診票を作成した。また、使用機器の信頼性を検証した。それらをもとにプレテストを行い、実験プロトコルの再検討を行い、平成24年度に実施する本実験への準備をした。(2)疾患・症状から見られる外皮的変化を示す画像とデータを収集するために、研究分担者と打ち合せを行い、撮影部位、方法などの検討を行い、実験プロトコルと問診票を作成した。(3)CAI教材を用いた授業の学習効果を明らかにすることを目的として研究を行った。A大学看護学科において、CAI教材を用いた老化の体験学習での学生の学びの内容を分析した。結果、新しい気づきがあり、高齢者理解が深まり、学習目的が達成できる教授方法であることが示唆され、この結果を学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画立案当初は、収集した画像および皮膚や毛髪の状態を示すデータを分析・評価する時点で皮膚専門家の指導を受ける計画にしていたが、皮膚や毛髪の状態をより顕著に表す画像やデータを収集するために、実験プロトコル作成の前にも皮膚専門家から指導を受けることとした。また、計画立案当初に購入を予定していた設備備品である肌年齢測定器が、研究目的としての信頼性に欠けることが検証の結果判明し、使用機器を再検討した。これらのことで、計画立案当初に考えていた日程より実験プロトコルの作成が遅れた。平成23年度は、本実験、画像およびデータの収集までを計画していたが、上記理由により日程がずれ込み、皮膚測定時に影響を受けると考えられる花粉飛散時期(2~5月)に入ったため、本実験は平成24年度の、夏場を避けた時期に行うことに変更したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、(1)青年期と向老期~老年期の外皮系の特徴を示す画像とデータの収集、(2)疾患・症状から見られる外皮的変化を示す画像とデータの収集をまずは行う。皮膚専門家の指導を受けながら、収集した画像および皮膚や毛髪の状態を示すデータを分析・評価をすることを柱に研究を進めていく。並行して、モーフィングに関する文献検索や処理の方法などを検討していく。平成25年度は、画像の処理、モーフィングを行い、教材作成し、作成した教材の妥当性を調査、検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)設備備品費・消耗品費について計画立案当初より購入を予定していたスキンアナライザー、肌色計などは購入したが、肌年齢測定器は、肌年齢、肌健康度、基礎代謝量などが算出されるが、それらのデータは信頼性、妥当性に欠けるものであることが検証の結果判明し、本研究においては信頼性の高いデータを要求するため購入を中止した。肌年齢測定器を購入する予定であった研究費は、次年度の研究費と合わせて、皮膚測定に使用する機器を購入する。その使用計画として、皮膚や毛髪をより詳細に分析できるよう、サーモグラフィ、血流計などを購入し、測定項目や部位を増やし、多くの画像およびデータから分析できるようにする。また、収集した画像をその場で表示するために、持ち運び用のノートパソコンを購入する。さらに、画像の処理、モーフィングのために、専用のソフトを購入する。(2)旅費等の明細について平成23年度は画像およびデータの収集までを計画していたが、実験プロトコルの作成までに十分な時間を確保したことで計画立案当初に考えていた日程よりもずれ込み、本実験は平成24年度の夏場を避けた時期に行うことに変更した。これに伴い、被験者への謝礼や出向旅費などは次年度に使用する。具体的な使用計画として、在宅または施設や病院に入所・入院している向老期~老年期を対象にデータ収集をしていくため、出向旅費と被験者への謝金で研究費を使用する。さらに、収集した画像を、しみ・しわ・たるみ・変色など、皮膚の老化の種類にわけて分析・評価する際に必要な知識を、皮膚専門家による指導や関連図書から得るために、旅費や知識提供料、設備図書費が必要である。学会参加、発表にあたっては参加費と交通費、宿泊費を要する。また、画像およびデータの収集、モーフィング作業、教材作成時のナレーションの挿入等にて学生アルバイトの協力を依頼することを考えており、謝金が必要である。
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Research Products
(1 results)