2012 Fiscal Year Research-status Report
看護学生が加齢の外皮系変化の理解を深めるモーフィングを用いたアセスメント教材開発
Project/Area Number |
23660029
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Research Institution | Gihu University of Medical Science |
Principal Investigator |
廣川 聖子 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 准教授 (30389100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島谷 智彦 広島国際大学, 看護学部, 教授 (80325191)
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Keywords | 看護学生 / 外皮系変化 / モーフィング / アセスメント教材 |
Research Abstract |
看護学生のフィジカルアセスメント能力を育成するために、外皮系(皮膚・爪・毛髪)の、しみ・しわ・変色などの加齢による変化や、浮腫・びらんといった疾患・症状から見られる逸脱した外見的変化を、モーフィング動画として学習できるCAI教材の開発を試み、その妥当性を評価することを目的として、研究2年目の平成24年度は、逸脱した外見的変化のデータ収集と研究手順と被験者の検討に重点を置いて研究を進めた。 具体的な研究成果として、①医療施設の許可を得て、研究協力への同意が得られた患者より、疾患・症状から見られる外皮系変化として、浮腫や皮膚の色素沈着等、逸脱した外見的変化の画像やデータを収集した。②青年期と向老期~老年期の、外皮系の特徴を示す画像とデータを収集するために、昨年度作成した実験プロトコルをもとに、サーモグラフィの撮影箇所、皮膚の水分や油分のデータ収集箇所と収集順序等、詳細な実験手順を決定した。さらに、より正確な画像とデータが収集できるよう、花粉症でない、皮膚疾患がない等、実験協力者を公募ではなくマーケティング会社に依頼し、選定するよう調整した。③CAI教材を用いた授業の学習効果を明らかにすることを目的として研究を行った。A大学看護学科において、CAI教材を用いた老化の体験学習での学生の学びの内容分析をした。その結果、CAI教材を用いた老化の体験学習にて、学生は高齢者の思考過程に似た感情体験ができ、自らの感情体験を基に、心理的側面を踏まえた高齢者理解につながり、心理的側面への看護の重要性についての学びを深める機会となったことが考えられ、この成果を論文にまとめ発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成24年度は青年期と向老期~老年期の、外皮系の特徴を示す画像の収集と、皮膚の水分や弾力・明度、爪の状態等をスキンアナライザーやマイクロスコープで測定し収集したデータから、老化による外皮系の特徴を分析、評価していくことを計画していたが、向老期~老年期の実験協力者の確保が難しく、協力者を派遣できるマーケティング会社から探すこととなり時間を要した。実験は時期を決め一斉に実施していくため、上記理由により青年期と向老期~老年期の外皮系の画像とデータ収集がずれ込み、実験協力者の確保が可能となった時期が、皮膚測定時に影響を受けると考えられる花粉飛散時期(2~5月)に入ったため、本実験を平成25年度の夏場を避けた時期に行うことに変更したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、①青年期と向老期~老年期の外皮系の特徴を示す画像とデータの収集をまずは行う。②皮膚専門家の指導を受けながら、収集した画像および皮膚や爪の状態を示すデータを分析・評価する。③画像の処理、モーフィングを行い、教材作成し、作成した教材の妥当性を調査、検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①設備備品費・消耗品費について 皮膚の状態をより詳細に分析できるよう、サーモグラフィを購入し、測定項目や部位を増やし、多くの画像およびデータから分析できるようにする。さらに、画像の処理、モーフィングのために、専用のソフトを購入する。 ②旅費等の明細について 平成24年度は画像およびデータの収集を計画していたが、実験協力者の確保までに時間を要したことで計画立案当初に考えていた日程よりもずれ込み、本実験は平成25年度の夏場を避けた時期に行うことに変更した。これに伴い、被験者への謝礼や出向旅費などは次年度に使用する。具体的な使用計画として、実験環境統一のため会場を借り、青年期と向老期~老年期を対象にデータ収集をしていくため、会場費と被験者への謝金、出向旅費で研究費を使用する。さらに、収集した画像を、しみ・しわ・たるみ・変色など、皮膚の老化の種類にわけて分析・評価する際に必要な知識を、皮膚専門家による指導や関連図書から得るために、旅費や知識提供料、設備図書費が必要である。教材作成時には、映像制作会社に依頼するため、企画・制作費用に研究費を使用する。学会参加、発表にあたっては参加費と交通費、宿泊費を要する。 また、画像およびデータの収集、モーフィング作業、教材作成時のナレーションの挿入等にて学生アルバイトの協力を依頼することを考えており、謝金が必要である。
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