2012 Fiscal Year Annual Research Report
介護老人福祉施設の看取りにおける訪問看護導入のシミュレーション
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23660034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 文子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30315858)
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Keywords | 看取り / 介護老人福祉施設 / 遺族 |
Research Abstract |
家族が満足する看取りケアについて明らかにするために3つの施設で18ケースの遺族に、「病院ではなく介護老人福祉施設での看取りを選択した理由」、「看取りの時期に受けたケアで良かったと感じたもの」、「反対に嫌だったと感じたもの」について半構成インタビューを実施し要約的内容分析を用いて分析した。入所者の死亡時の年齢は78~104歳(中央値95.0歳)、インタビュー対象者の年齢は49~78歳(中央値64.5歳)で、入所者とインタビュー対象者の関係は娘が11人、息子5人、息子の妻1人、後見人が1人であった。 分析の結果、入所者や別の家族の入院時に苦痛を与えられた、ぞんざいに扱われた、ADLが低下した、認知症が悪化した、点滴で水ぶくれの身体になった等の嫌な経験をした又は見聞きしている場合と、入所者の食事量が減り誤嚥する状態は加齢による自然な流れだと認識している場合に、介護老人福祉施設での看取りを選択していた。 入所者に実施されたケアで良かったものは、入所者に痛みがなく穏やかな経過をたどったこと、褥瘡予防が行われ褥瘡がなかったこと、死後のケアに家族も参加して遺体をキレイに整えてもらったこと、入所者を尊重してくれた・悲しみを共有してくれた等により入所者が大切にされたと感じたこと、家族が立ち会えない臨終の時にスタッフが側について入所者を一人で逝かせなかったこと、看取りの時期であってもふだん通りの生活を送ったことなどであった。家族が受けたケアで良かったものは死期が近いこと及び入所者の身体状況を理解できたこと、できる限りの時間を入所者と一緒に過ごしたこと、臨終に立ち会えたこと、スタッフが家族の希望を聞いてくれたこと、家族としてできる限りのことをできたと考えられたことであった。 看取りの時期に医療的なケアをしていた入所者はほとんどいないので、スタッフは訪問看護の必要性は感じないとのことであった。
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Research Products
(1 results)