2011 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中患者の維持期・終末期リハビリテーションにおけるフットケア・プログラムの開発
Project/Area Number |
23660042
|
Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
池田 清子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (60224755)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒沢 佳代子 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (60612273)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 脳血管障害 / リハビリテーション / フットケア / 高齢者 / 看護 |
Research Abstract |
本研究は脳血管疾患の維持期・終末期リハビリテーションにある患者の足部・下肢病変の実態を明らかにし、実態にそったフットケア・プログラムを開発することが目的である。 平成23年度は、フットケアに精通した皮膚科専門医の協力を得て、足部・下肢病変の実態調査を実施した。期間は2011年12月~2012年2月、対象は2つの老人保健施設の入所者のうち脳血管疾患の既往がありかつ研究への同意が得られた48人とした。調査に際して所属先の倫理委員会の承認を得た。データ収集方法は、皮膚科専門医による視診と触診、竹串を用いた知覚検査と後日、デジタル写真による判定確認とした。対象は平均年齢83.3(±11.0)歳、男性27.1%、女性72.9%、脳血管疾患の既往は脳梗塞81.3%、脳出血27.1%、クモ膜下出血6.3%、脳梗塞と脳出血2.3%、脳梗塞とクモ膜下出血2.3%、脳血管疾患発症からの平均年数は6.4年であった。足部・下肢の循環状態では、冷感ありが約40%、足背動脈で触知なしが約30%、足背で知覚なしが約10%みられた。足部・下肢の病変では、外反母趾33.1%。尖足8.3%、足趾変形4.2%、下肢静脈瘤77.1%、皮膚乾燥・粗迄89.6%、爪変形・混濁22.9%、足白癬45.8%、下肢動脈閉塞疑い3人、踵部壊死1人、脂肪性蜂窩織炎疑い1人、うっ滞性紫斑1人であった。対象の生活は、麻痺と廃用症候群による車いすか寝たきりの2つの生活のタイプがみられ、前者では足部・下肢の病変は、筋力低下と下肢下垂による下肢静脈瘤が多く将来、静脈性潰瘍の発症のリスクが高い。今後のケアとして足部挙上や関節可動域の確保、マッサージが必要である。後者では踵部の壊死や動脈閉塞による足趾壊死のリスクが高く、ケアとして除圧や異常の早期発見の必要性が示唆された。両者に共通したケアは、爪甲のコントロール、皮膚の保湿が重要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は2つの施設で調査協力が得られ、おおむね順調に進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度の結果をもとに、フットケアプログラムの開発と介入施設を探す予定である。介入研究のため十分な倫理的配慮が必要であり、専門家の協力を得ながら慎重にすすめる必要がある。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画としては、主に角質コントロール用のグラインダーとアタッチメント、紙やすり、除圧器具、保湿クリームなどの用品と感染予防のための手袋や処置用シーツ、マスク、消毒薬、個人別のアタッチメントなどを購入する予定である。その他、専門家へのフットケアの技術指導として謝礼と交通費が必要であると考える。
|