2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中患者の維持期・終末期リハビリテーションにおけるフットケア・プログラムの開発
Project/Area Number |
23660042
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
池田 清子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60224755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒沢 佳代子 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (60612273)
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Keywords | 脳卒中 / リハビリテーション / フットケア / プログラム開発 / 維持期 / 終末期 |
Research Abstract |
本研究は脳血管疾患の維持期・終末期にある患者の足部と下肢病変の実態に応じたフットケア・プログラムを開発することを目的にしている。昨年度は、維持期にある患者を対象とし、今回は維持期から終末期にある在宅療養者とその家族4事例を対象とした。本研究の実施にあたり研究者が所属する大学の倫理審査の承認を得た。【方法】期間は平成26年1月9日~4月30日。フットケアの専門家が爪のケアを実施し、保湿ケアとマッサージの方法は、研究者がケア提供者に15~30分程度、資料を見ながら実技指導を行った。 【結果】 対象の年齢は63~87歳、男性3名、女性1名、ケア実施者は配偶者3名、ヘルパー1名で、要介護度は要介護2が1名、要介護4が3名であった。脳卒中歴は3~21年、胃ろう造設・両下肢の麻痺・内反尖足が1名、片側の上下肢不全麻痺2名、廃用による筋力低下1名であった。併存疾患ではアトピー性皮膚炎1名、掌蹠膿疱症1名で、BMIは18.7~26.4であった。介入時の下肢と足部の状態では、全事例で網目状の静脈鬱滞、3名に皮膚の鱗屑を認めた。爪の状態では、全事例で肥厚と白濁を認め、2名が爪下出血を併発していた。全事例に趾間型白癬を認め、3名が治療中、1名は未治療であった。全事例で肥厚部分の爪を可能な限り切除した。1ヵ月後、下肢・足部の周囲径では足首・下肢最大径で改善傾向がみられた(0.1~1.3㎝)。一方、関節可動域では外転で半数に改善(2~7度)、底屈で3名が低下(4~13度)、膝関節、背屈、内転では改善と低下に分かれた。 爪の状態では、3名は爪甲の伸びはわずかで切除の必要はなかった。マッサージと保湿ケアは実施率52~97%、全事例で負担を感じない程度で実施されていた。 【考察】在宅療養者では感染防止・末梢循環改善の点から爪のケアが重要であり、マッサージの目的と方法は対象の状態に応じて検討する必要が示唆された。
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