2013 Fiscal Year Annual Research Report
性器ヘルペス再発抑制療法導入に伴うHSVの薬剤感受性とセルフマネジメント支援
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23660059
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長谷川 ともみ 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (80262517)
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Keywords | HSV / 性器ヘルペス / セルフマネジメント |
Research Abstract |
2006年9月13日より厚生労働省は、性器ヘルペス再発抑制療法の保険適応を認可した2000年の調査では、性器ヘルペスの10万人年対罹患率は59.7人(女/男比 2.2)であり、性感染症のなかで性器ヘルペスは、クラミジア感染症に次ぐ頻度の高さとなっている。性器ヘルペスという疾患の特性上、患者はその悩みを公表することに躊躇し、鬱はかなりの患者が体験し、中には自殺を考えるものもいる。連日低容量を内服し続けて再発頻度を下げる目的で用いられるアシクロビルによる性器ヘルペス再発抑制療法が導入されて6年が経過する。申請者らは、これまでの研究において、性器ヘルペス感染症の患者に対する医療の視点から本邦への抗ウイルス療法の導入から現在までの臨床株にける薬剤感受性を調査し、その安全性を確認することができた(Hasegawa,et.al.2001)。本研究では、性器ヘルペス再発抑制療法の本邦への導入に伴い、薬剤耐性ウイルスの出現状況のモニタリングと、治療を受ける患者への質問紙調査とオンラインによるセルフマネジメントへの援助の必要性について焦点をあて、ウイルス学的な検索と患者の心理的支援といった両面から性器ヘルペス患者を支援しようとするユニークな取り組みである。 研究方法 対象; 大阪、神奈川の2クリニックにおいて了解が得られた患者 実施場所; 患者が自宅で採取したサンプルとアンケート用紙をクリニックで回収し、富山大学医学薬学研究部ウイルス学教室において研究代表者がウイルス学的検査を行う。 サンプルは49検体収集し、陽性であったものは水疱形成しているものと、前駆症状において既にびらんが認められたものであった。発赤やかゆみ等が認められていてもウイルスDNAは認めなかったので、前駆症状において患者の不安の軽減につながる結果であると考えられる。アンケート調査では有意にQOLの上昇が認められた。
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