2011 Fiscal Year Research-status Report
地域における育児に悩む母親のレジリエンス向上を図る前向き育児プログラムの活用
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23660063
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 千惠子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10127293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮野 遊子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00616592)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | レジリエンス / 育児ストレス / トリプルP / 乳幼児 / 母親 |
Research Abstract |
今年度の第1目的の予備調査では、育児ストレスおよびレジリエンスに関する文献および学会等での情報収集を行い、育児中の親を対象としたレジリエンス尺度を作成するために、項目検討を行った。さらに、既存の育児ストレス尺度と属性を加えて、質問紙を作成した。調査に関しては、大学の倫理委員会に申請して了承を得た。調査は、大阪府下の3市の保健センターに協力の依頼を行い、3歳児半健診の際に調査票の配付を行うことを了解してもらった。2011年11月から2012年3月の期間に、3市の5か所で開催された3歳児半健診会場において、分担研究者と研究協力者は、健診に来られた母親を対象に、調査目的を説明した後、調査票を配付した。調査票は自宅に持ち帰り記載後、郵送してもらう方法で行った。また、分析を担当する研究代表者、分担研究者、連携研究者、研究協力者は、統計ソフトのスキルアップ講座を受講した。 第2目的の次年度の地域で開催するトリプルP講習会の準備に関しては、トリプルPジャパン主催のファシリテーター養成講座に、2011年9月に分担研究者1名、2012年3月に研究協力者2名を受講させ、次年度の準備を整えた。また、認定資格のある研究代表者、連携研究者、分担研究者の3名は、10月のファシリテーター研修会に参加し、スキルアップに努めた。また、H市で開催されているトリプルP講習会に分担研究者1名、研究協力者2名を見学させてもらい、講習会の開催のためのスキルアップに努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の第1目的のレジリエンス尺度の作成のための予備調査は、近隣の3市に協力要請を行い、調査票の配付の承認を得ることができた。調査は、健診に来られた1479名の母親に調査目的を説明した後、調査票を配付し、自宅に持ち帰り記載後、郵送してもらう方法で行った。調査票は、予定したよりも回収率が低く、分析に耐える人数を確保するために調査期間を延ばして対応した。その結果、560名(回収率37.9%)から回収することができた。有効回答は553名(有効回答率98.8%)であった。当初予定していた回答を確保することができたことから、当初の目的は達成できている。さらに、分析を担当する研究代表者、分担研究者、連携研究者、研究協力者は、統計ソフトのスキルアップを行い、分析に準備を整えている。データは、研究協力者によって入力している段階である。 第2目的の地域で開催するトリプルP講習会の準備では、トリプルPジャパン主催のファシリテーター養成講座に、分担研究者1名、研究協力者2名の計3名を受講させ、認定試験にも合格し、認定を得ることができた。研究メンバーは、ファシリテーター研修会やすでに実施されている他市の講習会の実際の見学によって、スキルアップができ、開催のノウハウを得ることができたことから、目的は予定通り達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の第1の目的のレジリエンス尺度の作成は、回収した調査票を分析し、信頼性および妥当性を確認する。調査は、他の要因との関連も分析し、学会発表および協力市の保健センターへの結果報告書を作成する。 今年度の第2の目的は、地域で育児中の母親を対象としたトリプルP講習会を開催し、その前後のレジリエンスと育児ストレスの変化を把握することである。地域の研究協力者を募ったところ、調査協力してもらった3市のうちのI市保健センターから、トリプルP講習会を共同開催することを了承してもらえ、開催に向けて具体策を検討することになった。I市は、トリプリP講習会が未実施の地区であり、今後有効であればI市保健センターでも継続実施していく希望をもっている。I市保健センターの現在地域で実施している母親対象の育児プログラムのうち、夏に実施するセッションを研究者によるトリプルP講習会に振り替えて、試行することを検討することになった。研究目的を達成するために、(1)I市保健センターの保健師のトリプルPに関する理解を深める目的で、分担研究者が保健師対象の研修会を開催する。(2)夏のトリプルP講習会に参加する地域の母親の募集および会場の手配はI市保健センターで行う。(3)今後I市保健センターでの継続実施の基盤をつくるために、保健師2名をトリプルPジャパン主催のファシリテーター養成講座を受講してもらい、認定を得る。(4)夏のトリプルP講習会に参加する地域の母親の希望者が明らかになった段階で、受講前後の調査を行う。を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第1の調査結果の尺度分析および全体分析のために、情報収集および学会発表目的で旅費・参加費を使用する。また、結果報告書作成のための印刷費や郵送費の使用を予定している。また、事務用品等の購入も必要時行う。 第2のトリプルP講習会の実施と前後の調査にために、(1)開催に関する打ち合わせおよび講習会開催のための出張費 (2)トリプルP講習会で使用するテキストの購入 (3)必要時子どもの保育のためのアルバイト雇用費 (4)保健師のトリプルPジャパン主催のファシリテーター養成講座の受講費2名分 (5)研究補助者による調査の入力のための人件費 (6)スキルアップを目的としたファシリテーター研修会への参加費、の使用を予定している。
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