2012 Fiscal Year Research-status Report
胎児異常を告知された妊婦の情動と胎児感情ー告知後から産後1か月までの縦断調査ー
Project/Area Number |
23660065
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 満由美 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90285445)
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Keywords | 看護学 / 胎児異常 / 対児感情 |
Research Abstract |
妊娠中に胎児異常を告知された妊婦を対象に、告知後から産後1か月までの妊婦(母親)の情動変化と対児感情の関連や特徴について検討することを目的にしている。 超音波断層法や羊水検査などの出生前診断の発達に伴い、妊娠期に胎児異常が発見される事例が増加している。ドローターらの「先天異常児を出産した母親の反応モデル」は出生後に先天異常が発覚した際の母親の反応を示したものである。妊娠中に対児異常が発覚した妊婦の反応や、情動の変化を示した研究はほとんど無く、そのために胎児異常を告知された妊婦の支援に困難さを感じている医療者は少なくない。また、ドローターのモデルは母親の心理反応は示しても、心理的危機状態にある母親の児への愛情を示していない。妊娠期に胎児異常が発覚した妊婦の児への愛着に関しても明らかにしている者は見あたらない。超音波診断法等で妊娠早期から胎児異常が明らかな事例については出産後の母親の反応もドローターのモデルと異なることが推察できるがそれについても明らかにしたものは見あたらない。 本研究では1事例各4回(告知後1か月以内、妊娠36週前後、産後3~7日目、産後1か月)縦断的に、面接およびアンケート調査を実施している。面接による質的データによって妊婦の情動の変化を明らかにするとともに、対児感情評定尺度を用いたアンケート調査による量的データをとっている。平成23年度は産科医療施設(2施設)において症例5例の面接とアンケートを修了し、その都度分析を行ったが、平成24年度は症例は17例目の面接続行中である。質的研究であり、飽和に近い状態にあると思われるが平成25年度も引き続き飽和になるまで面接とアンケートを続行し分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象が妊娠中に胎児異常を告知された妊婦のため、胎児異常の症例がコンスタントにあるわけではなく、胎児異常を告知された妊婦の内、研究の同意を得られなかった症例もあり、現在、17例目の面接続行中である。経過が長いため、途中で脱落した症例もある。当初の計画よりやや遅れているが引き続き地道にデータ収集ならびに分析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠中の胎児異常の告知後から産後1か月までの妊婦(母親)の情動変化と対児感情の関連や特徴について検討することを目的に、引き続き1事例各4回(告知後1か月以内、妊娠36週前後、産後3~7日、産後1か月)に縦断的に、面接及びアンケート調査を実施する。当該年度に引き続き平成25年度も対象の症例数を増やしていく予定である。当該年度より対象者も増え、分析も引き続き実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に研究対象の事例が少なく、研究費の使用も遅れた。また、協力施設へ出向く回数が予定を下回ったため、旅費について未使用額が生じた。また、平成24年度は補助員を一名短時間雇用する予定であったが、研究の進行状態から平成25年度に雇用することにした。平成25年度は分析も本格的に行うので、平成24年度の未使用額で平成25年度に補助員を一名短時間雇用する予定である。
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