2011 Fiscal Year Research-status Report
分娩介助技術としてのハンズオフ手法の実態と根拠に基づく会陰保護の再検討
Project/Area Number |
23660077
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
町浦 美智子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70135739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 有加里 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (40252704)
椿 知恵 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (60582319)
山田 加奈子 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (90583740)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 分娩介助技術 / 会陰保護 / ハンズオフ手法 / 分娩体位 / 国際情報交流 |
Research Abstract |
1.文献検討:目的は会陰保護の必要性について分娩時の体位や会陰切開・会陰裂傷、胎児・新生児の健康状態との関連性から明らかにすることである。キーワードは会陰保護(hands-on, perineum maneuver),ハンズオフ手法(hands-off),分娩(delivery)とした。エビデンスのレベルに応じて研究目的、対象、方法、結果をまとめ、会陰保護とハンズオフ手法を比較した。その結果、両群間で会陰裂傷の頻度や新生児の健康状態に差がなかった、hands-onで産後10日目の会陰部疼痛の訴えが少なかった、hands-offで裂傷が少なか会陰保護ったなどの結果が得られ、明確なエビデンスは確立されていないことが明らかになった。そこでハンズオフ手法の実態を調査し、会陰保護の科学的な根拠を明らかにするという本研究の重要性を確認できた。 2.我が国のハンズオフ手法の実践状況の把握:本学の研究倫理委員会に申請し、研究依頼を行った。初産婦の分娩介助の状況について参与観察、分娩記録からの情報収集、介助した助産師へのインタビューは平成24年度の5月、6月、8月頃に5名程度得られる予定である。今後も引き続きデータ収集にあたる。 助産所での研究依頼時に得られた助産師からの話では、助産所ではほとんど会陰部に手を置くことはせず、産婦の陣痛にあわせてなるべくいきまない分娩をすることで、初産婦でもほとんど会陰裂傷がないとのことであった。一方、病院で出産した際に会陰切開を受けて、二人目を助産所で分娩する経産婦の方が会陰部の進展が悪い場合があるとのことであった。これらのことから産婦の陣痛に合わせて呼吸法を調節することがとても重要であることを再認識した。 3.オランダの家庭分娩の状況:アムステルダム大学教授による講演会では,助産師の教育や医師との役割分担など視察に向けて貴重な情報が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者でありながら、他の研究分担者である研究が最終年度であったため、それに時間を要した。また本務の教育や大学運営に時間を費やし、本研究への時間が思うように取れなかったことが原因である。そのため研究倫理委員会への申請時期が遅くなり、データ収集が遅れるという状況を招いた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は研究を着実にすすめられるように下記2点の研究計画の変更を行う。変更点以外については当初の計画通りすすめる。1.助産所でのデータ収集は平成24年度で終了する予定であったが、平成25年8月までに延長する。それに伴い病院でのデータ収集は平成24年度より開始し、平成25年度8月までと計画し、研究倫理委員会の審査を受ける。 2.専門的知識の提供として岩田塔子氏より話を聞くことができなかったために、平成24年度はセミナー等を開催し、岩田氏よりフリースタイル分娩における分娩介助の実際について専門的知識の提供を受ける。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に実施できなかったデータ収集について、平成24年度はデータを収集し、そのテープ起こしと、分析や資料整理の人件費,対象者への謝金等に使用する。また、専門職者からの専門的知識の提供について、岩田氏を講師に招いてセミナーを開催するため、講師料や開催費用を必要とする。 平成24年度はオランダの家庭分娩における会陰保護の実際について,助産師がどのように介助しているのか,参与観察や助産師へのインタビューを通して把握する。研究代表者町浦と分担者山田が7月に視察に行くための旅費や、その成果のまとめとしてテープ起こしや資料整理等の人件費、および学会等での発表に伴う旅費等が必要である。
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