2011 Fiscal Year Research-status Report
視覚に障害を有する女性の周産期保健指導を軸とした看護方法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
23660081
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
竹 明美 京都橘大学, 看護学部, 講師 (30344568)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 視覚障がい / 妊産婦 / 保健指導 / 看護 |
Research Abstract |
平成23年度は、以下について実施を予定していた。(1)医療機関を対象として視覚に障がいのある妊産婦への援助経験の実態ならびにインタビュー調査の協力者紹介依頼、(2)特別支援学校等の教育者あるいは支援団体関係者から視覚障害者を取り巻く環境や特徴について意見を求めることと妊娠・出産・育児を経験している視覚に障がいのある女性の紹介依頼の2点である。(1)について:視覚障害者支援団体の関係者の意見を参考にしながら、連携研究者と研究の推進について検討した結果、視覚障がいの女性の出産等の事例は非常に少ないため、全国の医療施設からのサンプリングによる実態調査ならびに調査を通じて看護職者のインタビュー協力者を募ることは実質的には困難であろうとの結論から、医療機関に向けて行う調査は実施せず、機縁法にて協力者を求める方針に変更した。インタビュー調査はに関する研究計画書(テーマ:視覚障がいのある女性に対する周産期看護の実際-看護職者へのインタビュー調査から-)を作成し、研究倫理委員会の審査を受け承認を得た。本研究の目的は、視覚に障がいのある女性の周産期看護に関わったことのある看護職者の経験から支援の工夫や配慮と看護上の困難を明らかにし、看護援助のあり方や解決すべき点についての示唆を得ることである。現在、機縁法によって調査協力者の募集等調整中である。(2)について:視覚障害者協会等の支援団体関係者から視覚障害者を取り巻く環境等の現状や医療者の対応の不備などについてご意見を頂き、教育・支援等の立場から周産期にある女性の支援についての意見等を研究としてまとめることとした。また、インタビュー協力者として妊娠・出産・育児を経験している視覚に障がいのある女性の紹介募集については、知人やインターネットの情報から調整を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度計画の研究目的は、全国の医療機関を対象(無作為抽出)とした実態調査とともに看護職の研究(調査)協力者募集依頼と特別支援学校の教育関係者から教育支援等についての意見を得ることとともに妊娠・出産・育児を経験した視覚障がいのある女性の募集依頼であった。このうち、医療機関を対象とした実態調査については、非常に少ないケースに対する看護経験の有無を実態として明らかにするものであったが、視覚障害者協会の関係者等の意見も参考に実施を見送ることにした。インタビュー調査の調査協力者募集については機縁法を用いて募集することとし、調整中である。また、視覚障がいのある女性を理解するために支援団体関係者等に話を伺い、理解を深めつつある。同時にインタビュー調査の調査協力者としている妊娠・出産・育児を経験した視覚障がいのある女性の募集についても調整中である。しかし、視覚に障がいのある女性の出産数は大変少ないため女性インタビュー調査の協力者候補も人数が限られている。そのため、協力依頼者確保に苦慮しているため、平成23年度全体の研究達成度としては、やや遅れていると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、申請時研究計画に則り、具体的にインタビューによるデータ収集とデータの分析を行っていく予定である。なお、平成23年度計画では、視覚障害者支援団体や教育機関関係者から視覚障害者を取り巻く環境や特徴について意見を求め視覚に障害のある女性への理解を深めることに目的を据えていたが、発展的に研究として企画した。これについてもデータ収集分析を合わせて実施する予定である。現在のところ、研究協力者として募集する看護職ならびに妊娠・出産・育児を経験している視覚に障がいのある女性はケースとして多いとは言えないため人数確保に苦慮している。そのため、データ収集期間の延長が見込まれる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の研究費については、申請分よりも少額となっている。これは、医療施設への調査を見合わせたことと、そのために購入を予定していた備品がインタビュー調査に合わせての購入で良いことになったことなどから、繰り越しとなっている。今年度は、平成23年度研究費繰り越し分から備品購入と研究計画変更追加に伴い、インタビューデータの増量が見込まれ、これらのデータ入力等の謝金として使途する予定である。また、現在進行中の研究成果の一部を学会にて報告予定であり、旅費として使用する予定である。
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