2012 Fiscal Year Research-status Report
視覚に障害を有する女性の周産期保健指導を軸とした看護方法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
23660081
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
竹 明美 京都橘大学, 看護学部, 講師 (30344568)
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Keywords | 視覚障がい / 妊産婦 / 周産期看護 |
Research Abstract |
平成23年度より、視覚障害者支援団体や教育機関関係者から視覚障害者を取り巻く環境や特徴について意見を求め視覚に障害のある女性への理解を深めること、さらに、同年度後半に、視覚障がいのある女性の周産期看護の経験のある看護職者を対象として、周産期看護の実際を明らかにする目的で、「視覚障がいのある女性に対する周産期看護の実際 -看護職者へのインタビュー調査から-」というテーマの研究を企画し、24年度計画に基づき研究を推進していった。 インタビュー調査から、行政等社会福祉関連の関係者との調整過程、視覚障がいのある女性自身との協同作業の実際とその経験から周産期看護を行う上での困難が明らかとなり、周産期看護を行う上でのキーワードとして、行政等の社会福祉関連の整備、妊娠期から産褥期(育児期)までの継続した看護、病院内や病棟・病室環境の整備、視覚に障がいのある方への援助の基本知識の周知、家族サポート状況が挙げられた。 しかし、23年度報告にも記載したように、妊娠・出産・育児を経験している視覚に障がいのある女性はケースとして多いとは言えず、研究対象となる看護職の募集に苦慮しており、現時点でのデータは、1施設の看護職者となっているため、関わった視覚障がいのある女性としては1名となり、現時点では1事例に対する看護の実際からの示唆となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度計画では、視覚障害者支援団体等から視覚障害者を取り巻く環境や特徴について意見を求め、視覚障がいのある女性の周産期看護の経験のある看護職者を対象としたインタビュー調査から周産期看護の実際について明らかにし、考察を進める予定であった。しかし、視覚に障がいのある女性の妊娠出産は事例数が少なく、研究対象者の募集に苦慮することを想定していたが、当初の想定以上に研究対象者の募集に苦慮し、現時点では1施設のみのデータとなっている。 また、文献検討から、視覚障がいのある女性への看護援助を実施した経験のある施設へのアクセスを考慮していたが、当該施設は宮城県であったため、昨年はアプローチを控えたこと、インターネットのブログ等を検索し、研究協力施設の割り出しに手間取ってしまったことにより、平成24年度全体の研究達成度としては、やや遅れていると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、達成度の評価理由にも記載したように、まだアプローチしていない施設への研究協力依頼を行い、8月までを目途にデータ収集・分析を行っていく。また、周産期看護以外での視覚障がいのある方への看護等に関する文献検討をすすめ、データの分析後の考察を行い、まとめを行っていく予定である。 また、申請時研究計画では、妊娠・出産・育児を経験した視覚障がいのある女性を対象としたインタビュー調査の実施を予定していたが、研究対象者の募集が困難な場合には、妊娠・出産・育児を経験していない女性を対象とした保健指導や看護などのニーズに関するインタビュー調査に切り替え研究を遂行していく考えである。妊娠・出産・育児を経験していない女性の募集にあたっては、機縁法にての募集が可能な状況である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費は、インタビュー調査にご協力頂いた施設が近隣であったことや研究対象者の募集が思うように進まなかったこと、連携研究者とは主としてメールや電話による会議を実施したために、使用額が予定通りとはいかなかった。次年度の研究費使用計画としては、インタビューのための旅費や謝礼、データ収集に関する文具等の追加やデータ入力に関するの人件費等、今年度実施できなかった進行中の研究成果の一部を学会にて報告するための旅費、報告書の作成費として使用する予定である。
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