2011 Fiscal Year Research-status Report
小児慢性疾患児の多職種チーム協働における養護教諭のあり方の基礎的研究
Project/Area Number |
23660082
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Research Institution | Takarazuka University |
Principal Investigator |
河合 洋子 宝塚大学, 看護学部, 教授 (10249344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大見 サキエ 天理医療大学, その他部局等, 教授 (40329826)
横田 雅史 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (30367841)
山口 志麻 神戸大学, 保健学研究科, 研究員 (10595490)
津田 聡子 宝塚大学, 看護学部, 助手 (20616122)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 慢性疾患児 / 多職種チーム / 養護教諭 / 学級担任 |
Research Abstract |
教育機関の慢性疾患児に関わるチームメンバーに自身の役割認識および他からの役割期待等を尋ね,チームメンバーの役割を明確にすることを目的としてパイロット調査を行った。方法は,3地域の小中学校102校を対象に教育委員会に質問紙調査の依頼をし,各学校の学校長へ送付した。学級担任(経験10年以上)10名まで,校長/教頭,学年主任,養護教諭,栄養教諭,スクールカウンセラー,学校看護師等に配布依頼した。質問紙は無記名であり,回収を持って同意を得るものとした。結果は次のようである。38校回収(回収率37.3%),有効回答は34校(小学校20校,中学校14校)で,サンプル数は222であった。慢性疾患児との関わりがある人は141名(63.5%)であった。最初に連絡を入れた人は保護者がもっとも多く,また入院した場合,保護者は医師と連絡を取る確立が高かった。慢性疾患児との関わりのある人の中で,慢性疾患児へ対応した項目は,学級担任,養護教諭,その他の職種ともに,「保護者との連絡」「健康状態の観察」「学内の連絡調整」であった。学級担任は「クラスメートへの説明」,養護教諭は「病気や症状の対応」がやや多かった。全員に対する質問で慢性疾患児に対する不安項目は,いずれの職種ともに「病気や症状の対応」が特に多かった。また,各職種ではそれぞれの役割(2008,中教審答申)を認識して行動していたこともわかったが,慢性疾患児が学校生活を送る上での要望では,全職員との情報の共通理解,学内の連絡体制の確立を求めており,連携をする上で情報の共有に苦慮していた。今回のパイロット調査で見出せたことは,慢性疾患児を取り巻く学内体制および学校と病院,保護者との連携についてである。次年度の大規模調査では,この点を具体的に調査する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は復学支援に関わる学校における多職種チームの連携について,研究分担者が昨年度まで養護教諭として従事していたN 市等,3つの地域で学校の多職種チームメンバーを対象にした調査を行った。1. 3地域でパイロットサーベイの実施:(1)調査方法:質問紙調査 (2)調査対象・期間:小学校70 中学校32 、計102 校。学級担任(経験10年以上)10名まで,校長/教頭,学年主任,養護教諭,栄養教諭,スクールカウンセラー,学校看護師;10 月~12月 (3)調査内容:対象の属性(年齢,性別,勤務年数等)、小児慢性疾患児の対応経験、職種の役割の認識、連携の状況、要望など2.質問紙調査の結果の整理とまとめ:データの整理と分析(2,3月)3.小児慢性疾患児に対する養護教諭の多職種チームの協働・連携マニュアル(案)の検討 (次年度へ繰越)4. 今年度の研究成果をまとめの準備(2~3学会発表予定,1~2論文発表予定)
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Strategy for Future Research Activity |
初年度のパイロットサーベイにより明確になった学校内の多職種チーム間連携についてK地域の実態調査を行う。1. K 地方の4,5県で質問紙調査の実施(4 月~25年1月) :(1)質問紙の修正:研究分担者の助言を得て質問紙を修正 (打ち合わせ会議;6 月~9月) (2)調査対象・期間:層化抽出法より4,5府県の小・中学から有効回答1000件を目標として約150校を選択する(大規模、中規模、小規模)。養護教諭,学級担任,校長/教頭,学年主任,栄養教諭,スクールカウンセラー,学校看護師等に対して質問紙調査を行う(10 月~11 月) (3)調査内容:23年度の内容の改定版。さらに医療施設、親に対する連携についても追加で問う2.質問紙調査の結果の整理(12 月~3 月)3. ロジック・モデル(案)の検討および修正,多職種チームの協働・連携マニュアル(案)の検討(8月~3月):多職種チーム間の問題点の把握、影響する因子について整理し、まとめ、連携プログラムを検討する4. 23年度までの研究成果を学会発表、論文にまとめ投稿
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品:質問紙調査 文房具(PPCペーパー,封筒,インクなど)国内・海外旅費:打ち合わせ会議1,2回,調査依頼のため,4,5府県の教育委員会への旅費(2,3名10回程度),学会発表約2回謝金等:質問紙調査に関わる研究補助(発送手続き,データ入力等)その他:通信費(質問紙調査の郵送費;施設間往復),会議費など
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