2012 Fiscal Year Research-status Report
小児慢性疾患児の多職種チーム協働における養護教諭のあり方の基礎的研究
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23660082
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Research Institution | Takarazuka University |
Principal Investigator |
河合 洋子 宝塚大学, 看護学部, 教授 (10249344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大見 サキエ 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (40329826)
横田 雅史 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (30367841)
中塚 志麻 神戸大学, 保健学研究科, 研究員 (10595490)
津田 聡子 宝塚大学, 看護学部, 助手 (20616122)
岡田 朋彦 宝塚大学, 看護学部, 助手 (20638431)
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Keywords | 慢性疾患児 / 他職種チーム / 養護教諭 / 学級担任 |
Research Abstract |
慢性疾患児に関わる教育機関のチームメンバーの役割について本調査を行った。 【方法】対象:A地域5府県,B,C,D地域の公立小中学校377校の学級担任,校長/教頭等,養護教諭に郵送による無記名自記式質問紙調査を実施した。調査期間:2012年10月~12月。質問内容:対象の属性,慢性疾患児との関わり経験の有無。他職種との連絡調整での工夫,情報共有での工夫,学校生活での要望は自由記述,慢性疾患児に対する連絡,関わり経験時に対応したこと・他職種から期待されていると思うことは選択式で回答を求めた。分析は SPSSにより単純集計,統計処理した。自由記述は内容の類似性を元に質的に整理し,研究者間で妥当性を検討した。倫理的配慮:倫理審査委員会の承認を受け実施した。対象者には研究目的,研究方法等文書で説明し,返送をもって同意とした。 【結果】回収は113校(回収率30.0%),有効回答110校、サンプリング数は724(養護教諭101名,学級担任348名[主幹教諭/学年主任兼任含],その他275名)あった。慢性疾患児とのかかわりがある人は431名(59.5%)であった。最初に連絡を入れた人は昨年同様保護者であり,保護者は医師と連絡を取っていた。慢性疾患児が体調不良時には養護教諭は担任と保護者,担任およびその他は養護教諭に主に連絡を取り,また学内でのコーディネータ-役については,いずれも養護教諭が担っていると答えていた。他職種との連絡調整でうまくいっていることは,日ごろから養護教諭,管理職,担任との密な連絡をしていた。具体的には学内では会議(職員会議,ケース会議),栄養教諭(食物アレルギー),スクールカウンセラー・コーディネーターを中心とした連携,学外では幼稚園等申し送り,保護者との直接連絡等であった。学内外のメンバー間での情報共有の方法に対する要望が多く,検討する必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にパイロットスタディを行い,それに基づき本調査を行った。計画としては予定通り進めることができた。研究を進める上で次の点が困難であった。 対象は1000件を目標として150校を予定していたが,約400校送付して750件に満たなかった。また回収率は昨年同様約30%という低い結果であった。理由は教育現場が多忙であるということから研究協力を得ることがとても困難な状況にあったことが考えられる。しかしこのように学校現場が煩雑で多忙であるからこそ,チームメンバーの役割を明確にすることの必要性があることも明確になった。協力が得られた教職員からは,学内体制の確立,チーム内での情報共有の方法についての要望が多かったことから,今後この点を明らかにする必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度,平成24年度の調査から見出された課題(学内体制の確立,チーム内での情報共有の方法など)について検討し,連携プログラムを再検討する。最終的に他職種チームのマニュアル作成に取り組む。 1.質問紙調査結果のまとめ(4~6月) 2.連携プログラムの検討:A普通学校に対して確認,評価(7月~平成26年3月) 3.マニュアル作成に取り掛かる(平成26年1月~) 4.研究成果の学会発表,論文投稿。報告書作成
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品:文具(PPCペーパー,封筒,インクなど) 国内・海外旅費:打ち合わせ会議(1回程度)。A普通学校(5回程度),B地区の教育委員会(1,2回)への旅費。学会発表旅費(2,3回/2,3名) 謝金等:論文投稿時の英文校閲など(2,3回) その他:通信費(報告書等の郵送費,施設間往復),会議費など
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Research Products
(3 results)