2011 Fiscal Year Research-status Report
訪問入浴介護が要介護高齢者におよぼす影響(安全な入浴プログラムの作成)
Project/Area Number |
23660113
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
林 みつる 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20300402)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 入浴 / 居宅サービス / 要介護高齢者 / 看護 / 介護保険 |
Research Abstract |
高齢化社会を迎え居宅サービスの利用者が増加するなか、訪問入浴は在宅における療養者のQOL(Quality of life,日常生活の質)を高める重要な居宅サービスの1つであり需要は多くある。訪問入浴を利用する要介護高齢者は、さまざまな背景により生活機能の低下をきたした状態であり、医療処置を必要とする割合が高い。さらに、「寝たきり」または「ほとんど寝たきり」の状態となった高齢者は、入浴にともなう急変や事故を引き起こす危険性が高い。また、要介護高齢者は、物的・人的環境の変化に敏感でストレスに脆弱である。これらのことから、安全性や快適性が保証された入浴援助が受けられることが望ましいと考えた。そこで本研究では、訪問入浴で提供されている標準的な入浴援助の方法(内容や方法、手順など)や同行する看護師が行う入浴の可否判断の基準(指標)について調査を行っている。 調査は"介護サービス情報公表支援センター"に掲載されている首都圏の居宅介護支援事業所[訪問入浴]から抽出して500か所を抽出して、協力依頼書および調査票を郵送した。現在、回収中である。 調査内容は、現状把握を目的としてサービス事業所の状況(サービス利用者の人数、サービス利用者の利用頻度、訪問入浴時対応している医療処置、事業所の従事者など)や入浴援助の方法(室温・湿度・湯温の設定、入湯時間、洗体手順など)、入浴可否判断の内容や対処に関する質問とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、調査票を回収している段階である。 当初の予定では、調査票の集計・解析をおこなう段階であったが、設定した回収期限において回収率が低いため(約15%)、再度、協力依頼を行った。そのため計画予定より若干停滞していると感じている。協力が得られ返送された調査票を基に、少しずつ研究を進めている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究協力が得られ返送された調査票を基に、訪問入浴サービスの現状について統計的解析を行う。また、各事業所の入浴方法を参照し標準的な入浴方法を抽出する。また、入浴援助の方針や入浴可否判断の基準などを参照しながら、利用者のニードや要望を考察し、サービス利用者の求める入浴介護についてまとめる。 同時進行で、抽出した標準的な入浴方法で検証する準備として、測定場所や測定用具の確保、被験者の協力依頼などを行っていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の主となる本研究の課題は、介護用特殊浴槽を用いて、標準的な入浴方法で、身体的・心理的影響についての検証である。 研究費は主に、測定器具(自律神経系)や測定場所や介護用特殊浴槽の借用料や関連物品(消耗品を含む)、被験者への協力依頼を中心に使用する。また、データ分析・解釈に纏わる費用とする。
|