2012 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホームの看取り介護における看護師の体験
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23660118
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
小林 尚司 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (90321033)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 看取り / 看護職員 |
Research Abstract |
特別養護老人ホームにおいて、看取りを行う上で看護および介護ケアチームの中心的役割を果たしている看護職員が、どのように看取りを実践しているのかを明らかにすることを目的とし、8施設の看護リーダー各1名(計8名)にインタビュー調査を行い、質的帰納的分析を行った。 その結果、看護職員の看取りにおける実践内容を表わす23のラベルが抽出され、それらは、高齢者の看取りの過程(安定期、下降期、臨死期、振り返り期)と、実践の対象者(高齢者に対する関わり、家族に対する関わり、施設職員との関わり、外部医療機関との関わり)の2つの視点から分類・整理できた。 高齢者の看取りの過程の分類と整理によって、各時期によって課題や援助内容が大きく異なることが明らかになった。また、各時期に渡って、「延命治療や死を迎える場所に対する意思をとらえ実現しようとする」「死に至る変化に早く気づき、なるべく正確に今後の経過を見通そうとする」「看取りの理想を探求する」「家族の納得を得ようとする」という姿勢が読み取れた。特養の看護職員は、こういった基本姿勢のもとで、高齢者のその時々の状態に沿って看護目標や実践内容を判断し、それぞれの施設の実情に応じて実践を導いていると考えられる。 実践の対象者による分類と整理からは、高齢者および家族に対する直接的な援助のみで無く、介護職員をはじめてする施設職員や外部医療機関の役割を俯瞰してとらえていることが読み取れた。特別養護老人ホームの看取りにおいては、看護職員がチームメンバーそれぞれの役割を意識し、調整役を担っていると考えられた。 今後は、これらの実践内容を構造化し、特別養護老人ホームの看取り看護実践を総合的にとらえることを助ける、看取り看護実践モデルを作成する。また、そのモデルを活用し、特別養護老人ホームの看取りの基本的な枠組みを理解するための教育プログラムを検討する予定である。
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Research Products
(1 results)