2011 Fiscal Year Research-status Report
夜間の問題行動がある人を介護・養育することが家族の睡眠に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
23660119
|
Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
山田 裕子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (60331641)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永坂 トシヱ 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (50331640)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 介護・養育 / 家族の睡眠 |
Research Abstract |
本研究の目的は、家庭内で家族の介護・養育を主として担う人々の夜間睡眠の実態を明らかにし、必要な支援、制度を検討することである。夜間に家族への介護・養育を行う者に対して、その介護・養育を受ける者・児童と同時に測定器具を用いた行動量と睡眠評価の客観的な分析を双方向性に調査することにより、質問紙やインタビューなど主観的な評価だけで得られなかった行動や睡眠そのものの状況調査により、介護・養育されている者・児童の夜間を主とした日常生活の行動量や睡眠の実態、介護・養育する者の行動量と睡眠と実際に介護・養育などの対応状況、さらに介護・養育する者にとって必要な支援の方向性を明らかにすることである。しかし、研究対象が帰属していると思われる施設に対して、研究趣旨を説明すると興味をもたれるものの、協力依頼に対しては、被験者が数日間器具を装着することを強いられることから積極的な協力を得ることが困難であり、思うように研究を進めることができなかった。現在、少数ではあるが積極的な協力を得ることが可能な施設を見つけることができ、半年程度の遅れはあるが、研究を進めることが可能な状況になった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究が、今までの研究とは異なる点は2点あり、1点目は、介護・養育に対する負担を主観でなく測定器具により客観的にデータ化すること、2点目は、介護・養育を提供する者と介護・養育をされる者・児童を双方向性のデータとして捉え分析することである。これまで家族の介護に関する研究では、介護する者の介護に対する意識・負担感・不安感、要介護度と介護負担の関連をテーマとした研究が数多く、研究方法は質問紙や半構成的面接法によるインタビューなど介護を行う家族の主観を明らかにするような調査研究が主流であったが、本研究では、介護・養育を提供する者の主観のみでなく、測定器具を装着することにより行動量を測定し、睡眠評価に関しても客観的なデータとして明らかにすることである。介護・養育を提供する者を単独で捉えるのでなく、同時進行として介護・養育される者・児童の夜間の行動や睡眠評価をデータ化しペアで検討することを予定していた。しかし、ペアで行動量を測定するためには、測定器具を数日間装着しなければならないことから、想定以上に協力を得ることが困難であった。そのため、本研究の趣旨に理解と協力を得ることができる施設を見つけるまでに予想以上の時間を要した。 現在、研究に対する理解と協力の得られる施設がみつかり、データの収集を開始し始めたところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では、介護・養育を提供する者の主観のみでなく、測定器具を装着することにより行動量を測定し、睡眠評価に関しても客観的なデータとして明らかにすることであり、介護・養育を提供する者を単独で捉えるのでなく、同時進行として介護・養育される者・児童の夜間の行動や睡眠評価をデータ化しペアで検討することを予定していた。しかし、ペアで行動量を測定することに対し、想定以上に協力を得ることが困難であり、本研究の趣旨に理解と協力を得ることができる施設を見つけるまでに時間を要した。限られた研究費のため、研究協力施設の開拓に関して、近隣の施設や遠方に対しては電話を主たる方法としていたが、この方法が研究に対する協力を得にくい事態を作り出していたことが考えられる。今後は、協力体制にある施設からの紹介なども視野に、遅れている調査をすすめられるように努力したい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進行が遅延していることから、予定通りに研究費を執行していない状況にある。近隣の施設では、なかなか研究への協力体制をとっていただける施設が見つからなかったことから消極的になっていたが、計画にあるように県外への施設に対しても交渉し、協力が得られるように積極的に働きかけ、研究を遂行したいと考えている。そのためには、今後は、依頼に関する交通費、データの入力に必要となるPCなどを中心に研究費を使用する予定である。現時点で解析できるデータが少ないことから、学会に演題を出せる状況にはないため、学会参加に関する費用の使用に対しては、修正の必要を検討しなければならない状況である。
|