2012 Fiscal Year Research-status Report
夜間の問題行動がある人を介護・養育することが家族の睡眠に与える影響に関する研究
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23660119
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
山田 裕子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (60331641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永坂 トシエ 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (50331640)
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Keywords | 介護・養育 / 家族の睡眠 |
Research Abstract |
本研究の目的は、家庭内で家族の介護・養育を主として担う人々の夜間睡眠の実態を明らかにし、必要な支援、制度を検討することである。夜間に家族への介護・養育を行う者に対して、その介護・養育を受ける者・児童と同時に測定器具を用いた行動量と睡眠評価の客観的な分析を双方向に調査することから、質問紙やインタビューなど主観的な評価で得られなかった行動や睡眠そのものの状況調査により、介護・養育されている者・児童の夜間を主とした日常生活の行動量や睡眠の実態、介護・養育する者の行動量と睡眠と実際介護・養育などの対応状況、さらに介護・養育する者にとって必要な支援の方向性を明らかにすることである。 しかし、研究対象が帰属していると思われる施設に対して、研究についての説明をし、協力を求めても、睡眠に関する測定器具が一般化されていないため測定器具の装着に対して積極的な協力を得ることが困難であり、研究の進行が大幅に遅れ、研究期間の延長を申請するに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究が、今までの研究とは異なる点は2点あり、1点目は、介護・養育に対する負担を主観でなく測定器具により客観的にデータ化すること、2点目は、介護・養育を提供する者と介護・養育をされる者・児童を双方向のデータとして捉え分析することである。 これまで家族の介護に関する研究では、介護する者の介護に対する意識・負担感・不安感、要介護度と介護負担の関連をテーマとした研究が数多く、研究方法は質問紙や半構成的面接法によるインタビューなど介護を行う家族の主観を明らかにするような調査研究が主流であったが、本研究では、介護・養育を提供する者の主観のみでなく、測定器具を装着することにより行動量を測定し、睡眠評価に関しても客観的なデータとして明らかにすることである。介護・養育を提供する者を単独で捉えるのでなく、同時進行として介護・養育される者・児童の夜間の行動や睡眠評価をデータ化しペアで検討することを予定していた。しかし、現在では睡眠測定器具は未だ一般化されていないことやペアで行動量を測定するためには、測定器具を数日間装着しなければならないことなど、想定以上に協力を得ることが困難であった。本研究の趣旨に理解し、さらに協力を得るに至るには予想以上の時間を要した。 今年度に入り、前研究分担者の退職に伴い研究分担者の変更をした。新しい研究分担者は、生体科学の学位を持っており、今までとは異なる視点で新しく研究依頼ができる施設を開拓している。県外の施設に対しても人脈があり、現在は、研究に理解と協力を得ることができる施設を強化的に開拓している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、介護・養育を提供する者の主観のみでなく、測定器具を装着することにより行動量を測定し、睡眠評価に関しても客観的なデータとして明らかにすることであり、介護・養育を提供する者を単独で捉えるのでなく、同時進行として介護・養育される者・児童の夜間の行動や睡眠評価をデータ化しペアで検討することを予定していた。しかし、ペアで行動量を測定することに対し、想定以上に協力を得ることが困難であり、本研究の趣旨に理解と協力を得ることができる施設を見つけるまでに時間を要した。 今年度に入り、前研究分担者の退職に伴い研究分担者の変更をした。新しく渉外担当を迎えたことにより、今までとは異なる視点で研究依頼ができる施設を開拓している。県外の施設に対しても人脈があり、現在は、研究に理解と協力を得ることができる施設を強化的に開拓している。遅れている調査をすすめられるように努力したい。 また、新しい研究分担者は、生体科学の学位を持つため、データの解析についても融合的に検討することが可能である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進行が遅延していることから、予定通りに研究費を執行していない状況にある。今年度に入り、前研究分担者の退職に伴い研究分担者の変更をした。新しい研究分担者は、今までとは異なる視点で研究依頼ができ、県外の施設に対しても人脈があることから、現在は、研究に理解と協力を得ることができる施設を強化的に開拓している。そのため、研究の依頼と実施に伴う交通費や研究の説明が対象の理解をより深めることができるよう視覚を刺激する映像が見せらせるよう、簡易のプロジェクターの購入も検討している。今後は短期間にデータの収集が集中するが予想されるため、データ入力のための人件費も必要となる。 また、新研究分担者は、今までに睡眠に関する研究に取り組んではいなかったため、睡眠学会に参加し、関連分野の知識を幅広く深め、他の研究者との意見交換等もすることにより、研究の精度を上げていきたいと考えている。
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