2012 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者に対する脱水症のリスク評価:唾液を用いた簡易アセスメント指標の開発
Project/Area Number |
23660121
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Research Institution | Sanyo Gakuen University |
Principal Investigator |
奥山 真由美(小田真由美) 山陽学園大学, 看護学部, 准教授 (30293294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 真寿美 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70128065)
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Keywords | 脱水症 |
Research Abstract |
1.高齢者の脱水症予防に関する我が国の研究の動向:我が国の研究論文のレビューから、高齢者の脱水症の実態ならびにケアの現状を明らかにし、今後の課題について検討した。その結果、我が国の高齢者は、生活の場の違いにかかわらず脱水症のリスクの高い者が多いことが示唆された。また、脱水症のアセスメントについては、高齢者特有のアセスメント指標の開発に関する研究も行われているが、依然としてアセスメントの難しさがあることがうかがえた。さらに、脱水症予防は、水分摂取が第一選択のケアであるが、アセスメントならびにケアの評価が難しいため、「飲んでもらわなければならない」という強迫観念が看護職、介護職ともにあることが推測された。以上より、今後は、脱水症予防のケアの実態やケアする側の心理的影響を含めてさらに調査する必要がある。また、高齢者の脱水症のリスク評価を行うための簡便なアセスメント指標の開発の必要性が示唆された。 2.調査研究:介護施設における脱水症のリスク評価の困難度および困難度に影響を及ぼす要因を明らかにし、介護施設における脱水症のリスク評価の現状と課題について検討することを目的とし、全国の特別養護老人ホーム1000か所の看護管理者に対する質問紙調査を行い、アセスメントを行う上での困難の有無と程度、困難な内容と要因などを明らかにした。その結果、リスク評価の基準として、特定の評価尺度を使用している施設は2割弱だった。アセスメントの視点では、飲水量の減少や尿量の減少など特定の項目が抽出された。脱水症の危険性を評価する指標は約4割が必要であると考えていた。アセスメントを行う上での困難な内容は、脱水を疑っても血液検査が行えないことやスタッフの知識や人数の問題などがあげられた。スタッフには飲水に対する強迫観念があることが示唆された。今後、客観的な指標を開発する必要性があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば、実験研究を行う予定であったが、前年度行うはずだった調査研究に時間がかかってしまい、データの集計や分析などを実施したことにより、遅れている。現在は、調査研究から得られたデータをもとに実験研究のプランをたてている段階である。早急に着手する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
老人保健施設において、高齢者を対象に実験研究を行う予定である。口腔内水分計を購入し、血液データと脱水症のリスクを測定するための尿比重や腋の湿潤度、皮膚の乾燥、口腔内水分量などとの関連を調査する予定である。実験研究の実施は夏ごろに行いたいと思っている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
老人ホームでの実験研究に必要な皮膚の湿潤度を測定する機器や口腔内水分量を測定する機器を購入したい。また、実験に伴う消耗品費や高齢者への謝金などに活用したい。
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Research Products
(1 results)