2013 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者に対する脱水症のリスク評価:唾液を用いた簡易アセスメント指標の開発
Project/Area Number |
23660121
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Research Institution | Sanyo Gakuen University |
Principal Investigator |
奥山 真由美 (小田 真由美) 山陽学園大学, 看護学部, 准教授 (30293294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 真寿美 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70128065)
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Keywords | 脱水症 / 高齢者 / リスク評価 |
Research Abstract |
要介護高齢者の脱水症のリスク評価指標としての「唾液」活用の有用性を検証するために、まずは、特別養護老人ホームの看護管理者に対する無記名自記式質問紙調査を行い、脱水症のリスク評価をどのように行っているかを調査した。全国6000か所の特別養護老人ホームのうち、1000か所を対象に調査を行い、330通の回答があった。その結果、特別養護老人ホームにおいて、脱水症のリスク評価を行うことが難しいと回答した者は、全体の約6割であった。脱水症のリスク評価の困難さに影響を及ぼす因子として、リスク評価の指標の有無、介護職の水分摂取に対する認識、リスクの高い人のリストアップの有無、ケアカンファレンスの実施の有無、個別のケアプラン作成の有無、高齢者の反応からアセスメントすることの困難度、水分摂取の効果評価の難しさ、チーム体制を整えること、経験年数の少なさなどが影響を及ぼしていた。新しく脱水症のリスク評価指標が必要であると回答した者は全体の4割であったが、必要がないと回答した者は全体の1割にも満たなかった。以上より、特別養護老人ホームにおける脱水症のリスク評価を容易に行うための新たな簡易指標を開発する必要性が示唆された。 今年度は、特別養護老人ホームにおいて、要介護高齢者を対象に、血液データを目的変数として、唾液の成分、脇の下の温度、湿潤度、体内水分量、主観的評価との関連性を調査する予定である。すでに、2か所の特別養護老人ホームで行うことが決まっており、6月から調査を開始する予定である。その結果をもとに、唾液あるいは脇の下の湿潤度を新たな脱水症のリスク評価の指標として活用可能であるか検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度で研究は終了予定であったが、1年間の延長申請を行い、承認されたため、今年度で調査が完了し、目的を達成することが可能であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
特別養護老人ホームにおいて、同意の得られた要介護高齢者に対する調査研究を実施する予定である。期間は、6月から9月を予定している。その後、結果の分析を経て学会誌への論文投稿を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
特別養護老人ホームでの調査を行うに当たり、血液データの採取が必要であった。身体侵襲を伴わないようにするために、健康診断の日程に合わせて調査を行い予定であったが、調査の準備ができた段階では、どの施設もすでに健康診断が終了していた。そのため、調査自体を翌年に行わざるを得ない状況となったため。 約16万円は、調査にかかる消耗品や対象者への謝金とする。
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Research Products
(1 results)