2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23680042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
田中 謙二 生理学研究所, 分子生理研究系, 助教 (30329700)
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Keywords | ニューロングリア相互作用 / オリゴデンドロサイト / オプトジェネィクス / 線条体 |
Research Abstract |
オリゴデンドロサイトが神経伝導を調節する新しい機能、すなわちこれまで明らかになっていなかったオリゴデンドロサイト-神経細胞相互作用をin vivoで理解するためには、ある特定の神経回路に着目したうえでその相互作用に介入を加え、介入の結果を行動の変化としてとらえる必要がある。本研究では線条体有棘中型細胞軸索と、それを取り囲むオリゴデンドロサイトに焦点を当てて実験系を構築した。線条体有棘中型細胞をチャネルロドプシンと光照射の組み合わせで選択的に活性化させると刺激と反対側で振戦が生じることを見いだした。次にオリゴデンドロサイト特異的にチャネルロドプシンを発現するマゥスに変えて、同じ部位へ光を照射したところ、程度は異なるものの刺激と反対側で振戦が生じることがわかった。これはオリゴデンドロサイトの光操作が線条体有棘中型細胞の活動性を亢進させた可能性を示唆する結果であり、どのようなオリゴデンドロサイト-神経細胞相互作用によるものか、in vitro電気生理実験や組織学実験へと研究を展開させるうえで重要な結果である。 c-fos mRNA ISHで神経活動を組織学的にマッピングすることを予定していたが、チャネルロドプシンを発現させたオリゴデンドロサイトに光照射するとオリゴデンドロサイト自身にc-fos遺伝子が誘導されることが明らかになった。神経活動をマッピングするには不利であるが、光応答したオリゴデンドロサイトを組織学的に同定するには有用なツールになることが期待される。 オリゴデンドロサイト-神経細胞相互作用によるオリゴデンドロサイト側の応答をカルシウム動態から理解するために、オリゴデンドロサイト特異的にカルシウム動態を観察できるマウス、tet0改良カメレオンマウスの作成にとりかかった。組み換えES細胞を得ることが出来、キメラマウス作成への準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オプトジェネティクスを用いin vivoでオリゴデンドロサイトや線条体中型有棘細胞の機能を操作する実験系が構築できた。検出しやすい表現型を扱うことが可能になったので今後の研究推進に大きく貢献する。カルシウムセンサーのtetO改良マウスの組み換えES細胞を順調に得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
In vivoの実験系は線条体で行っているので、詳しい機序をしらべるためのin vitro電気生理実験も線条体で行うべきであるが、線条体スライスの作成が困難である。そのため海馬スライスを用いて神経軸索・オリゴデンドロサイト相互作用を明らかにしていく。神経活動に伴うオリゴデンドロサイトのカルシウム動態を記載するためのin vivo実験系の構築をこのまま進めていく.
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Research Products
(7 results)