2014 Fiscal Year Annual Research Report
効率的な体細胞クローンの作出へ向けたクローン特異的X染色体発現抑制に関する研究
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23680048
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
井上 貴美子 独立行政法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 専任研究員 (70360500)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 体細胞核移植クローン / 発生工学 / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、大規模遺伝子発現解析により、体細胞核移植クローン胚(SCNT胚)では、通常の受精卵において受精後に発現上昇を示す胚性遺伝子の活性化が不十分であり、その中でも特に転写因子の発現が抑制されることにより発生遅延・停止が生じることを明らかにしてきた。今年度はここまでの成果を踏まえ、卵子活性化後に発現が抑制されている遺伝子を人為的に導入することで発生率の改善が見られるかどうかを検討した。SCNT胚特異的に低下を示す転写因子の一つである、Spi-Cの mRNAをSCNT胚に導入することで、胚発生がどのように変動するか観察したところ、前核期に0.1ug/ulの濃度で遺伝子導入をした際に胚盤胞期胚への発生率が最も高くなった(61% vs 41%)。Spi-C mRNA導入により改善した機能を調べたところ、初期胚の発生に必須と思われるRNA発現やRNA転写といった項目が上位に現れた。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるトリコスタチンA(TSA)処理胚ではこれらの機能が受精卵と同レベルまで向上しており、Spi-C mRNA導入胚でも部分的ながら上記機能が改善していることが明らかとなった。これらの結果より、TSAはSCNT胚において転写因子を主とした胚性遺伝子を活性化させ、その後の遺伝子発現パターンを正常化させることで、体細胞核移植クローンの発生率を上昇させていることが明らかとなった。また、胚への転写因子の人為的導入によっても部分的ながら胚性遺伝子の活性化が行われることが明らかとなった。一方で、Spi-C mRNA導入では満期胎仔への発生率は改善が見られなかったことから、一部の転写因子導入のみでは胚発生への影響は限定的であると予想される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Generation of cloned mice from adult neurons by direct nuclear transfer.2015
Author(s)
Mizutani E, Oikawa M, Kassai H, Inoue K, Shiura H, Hirasawa R, Kamimura S, Matoba S, Ogonuki N, Nagatomo H, Abe K, Wakayama T, Aiba A, Ogura A
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Journal Title
Biology of Reproduction
Volume: 92
Pages: 1-11
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Establishment of paternal genomic imprinting in mouse prospermatogonia analyzed by nuclear transfer2014
Author(s)
Kamimura S, Hatanaka, Y, Hirasawa,R Matsumoto K, Oikawa, M, Lee J, Matoba S, Mizutani E, Ogonuki N, Inoue K, Kohda T, Ishino F, Ogura A
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Journal Title
Biology of Reproduction
Volume: 91
Pages: 1-12
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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