2011 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化に対する運動効果を早期に予測できるか?-血液バイオマーカーの探索-
Project/Area Number |
23680071
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
家光 素行 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (90375460)
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Keywords | 動脈硬化 / 有酸素性運動 / バイオマーカー |
Research Abstract |
中高齢期から動脈硬化性疾患(虚血性心疾患,脳血管疾患)リスクが急増するため,その第一次予防対策は重要な課題である。中高齢期からの有酸素性運動トレーニングは動脈硬化に対して改善効果があることは明らかである。しかし,長期間にわたる療法が必要であり,運動プログラム実施中にドロップアウトする人が極めて多い。そのため,運動による効果が現れるよりも前に運動効果の状況を評価することができるような客観的判断材料、つまり、バイオマーカーがあれば運動継続のモチベーションの向上だけでなく、運動プログラムの見直しなどができると考えられる。そのため、本研究は,動脈硬化に対する運動効果を予測できる血液指標(血液バイオマーカー)を探索することを目的とする。本研究では,中高齢者(50歳以上)20名を対象に有酸素性トレーニングを8週間実施し、トレーニング前、トレーニング開始2、4、6、8週間後に,動脈硬化指標である、脈波伝搬速度(baPWVおよびcfPWV)を測定し、同時に採血を行った。また、動脈硬化指標である、頸動脈コンプライアンス・β-stiffnessに関してもトレーニング前後において測定を行った。トレーニングにより、VO2peakおよびHDLコレステロール値は有意に増大し、腹部内臓脂肪面積およびcfPWV、β-stiffnessは有意に低下した(P<0.05)。cfPWVはトレーニング開始2、4、6、8週間後において徐々に低下する経時的な変動示した。今後、各被験者の血液を用いて、動脈の内皮細胞や脂肪細胞から産生される血管拡張・収縮関連物質の血中レベルの変動を経時的に検討し、動脈硬化に対する運動効果よりも早期に変動するホルモン・タンパクを検出することによりバイオマーカーを同定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、中高齢者の有酸素性トレーニングを実施し、動脈硬化指標および採血を経時に測定し、その結果、動脈硬化指標はトレーニング開始後、徐々に低下するという経時的に変化することを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究結果から、中高齢者の有酸素性トレーニングにより動脈硬化指標は徐々に改善することが示すことができたが、今後、採血によって得られた血液解析の分析を進めていくことにより、動脈硬化に対する運動効果よりも早期に変動するホルモン・タンパクを検討する。
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[Journal Article] Habitual rowing exercise is associated with high physical fitness without affecting arterial stiffness in older men2012
Author(s)
Kawano H, Iemitsu M, Gando Y, Ishijima T, Asaka M, Aoyama T, Ando T, Tokizawa K, Miyachi M, Sakamoto S, Higuchi M
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Journal Title
J Sports Sci
Volume: 30(10.1080/02640414.2011.635311)
Pages: 241-246
Peer Reviewed
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[Journal Article] Associations among objectively measured physical activity, fasting plasma homocysteine concentration, and MTHFR C677T genotype2011
Author(s)
Murakami H, Iemitsu M, Sanada K, Gando Y, Ohmori Y, Kawakami R, Sasaki S, Tabata I, Miyachi M
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Journal Title
Eur J Appl Physiol
Volume: 111(10.1007/s00421-011-1926-z)
Pages: 2997-3005
Peer Reviewed
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