2011 Fiscal Year Annual Research Report
低バックグラウンド・大容積微細飛跡検出器による方向に感度を持った暗黒物質探索実験
Project/Area Number |
23684014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
身内 賢太朗 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80362440)
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Keywords | 暗黒物質 / 宇宙線 / 素粒子実験 / 地下実験 / 測定技術 |
Research Abstract |
宇宙の組成の約1/4は暗黒物質であることがWMAP衛星などの結果によってはっきりとした。暗黒物質の正体解明の為、暗黒物質との弾性散乱で原子核に与えられたエネルギーを測定する「直接」探索実験が世界中で進められている。 本研究では、低バックグラウンド、大容積の微細飛跡検出器を製作、神岡地下実験室で 長期間(2年間)の観測により方向に感度を持つ暗黒物質直接探索実験を世界最高感度で行う。 これにより、イタリアDAMAグループが2008年に再度発見を報告したパラメータ領域の一部を探索する。この領域に暗黒物質が存在すれば発見の決定的証拠、無い場合には方向に感度のある手法による、より確かな制限を与えることができる。 このため必要なことは、検出器の低バックグラウンド化および大型化である。低バックグラウンド化に関しては、これまでの地上、地下の実験による検出器材料の選別やガス中ラドンの除去方法の研究成果を活かして達成する。大型化に関しては単純なスケールアップによって達成を予定している。本研究は平成23、24年度の2年間で検出器の製作、25、26年度で地下実験室での観測を予定、平成23年度は検出器のパーツの製作および性能確認予定した。 平成23年度には、低バックグラウンド検出器製作の為に、以前の研究でバックグラウンド源として最も問題となったTPCの電極の材料選択を慎重に行い、バックグラウンド源となるラドンガス放出の少ないPEEK材を用いたTPC電極を製作した。また、検出器の最重要部である30㎝角のμPIC、GEMを購入、ガス中の試験を行い、予定通りの性能を持つことを確認した。これによって、本課題の開発要素の低バックグラウンド化、大型化に関して、それぞれでもっとも重要な要素をクリア、平成24年度の検出器製作に向けての準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としていたガス検出器部分(uPIC、GEM)の開発は順調に完了、回路を合わせて 三次元飛跡検出器の製作は順当に進行した。低バックグラウンド化の為の材料・製法選択を慎重に行い、こちらも製作が完了した。 今後、これらのパーツを組み合わせて性能評価を行い検出器として完成させる。
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Strategy for Future Research Activity |
三次元飛跡検出器の製作および性能評価を行い(平成24年度)、地下実験室で暗黒物質探索実験を行う(平成25、26年度)。
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[Presentation] NEWAGE2011
Author(s)
K. Miuchi
Organizer
CYGNUS 2011
Place of Presentation
Aussois, France
Year and Date
20110710-20110710
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