2013 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ベシクルを用いた人工オルガネラの創製と細胞内配置技術の開発
Project/Area Number |
23685037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岸村 顕広 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70422326)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ポリイオンコンプレックス / ベシクル / ブロック共重合体 / 人口オルガネラ / ドラッグデリバリーシステム |
Research Abstract |
本研究では、Nano-PICsomeの技術をさらに洗練し、細胞内で作動するナノリアクターを開発し、細胞内へ適切に配置するための技術開発を実施した。具体的には、 (1)酵素封入によるナノリアクターの作製と機能確認、(2)膜の物質透過性の制御、(3)Nano-PICsomeの物性や表面へのペプチドリガンドなどの導入による細胞取り込み能制御、を行うべく、本年度は下記の項目を実施した。 1. 項目(1)に関連して、シトシンデアミナーゼを封入したPICsomeが、基質である5-フルオロシトシンを、活性体である5-フルオロウラシルに変換する能力を有し、培養細胞に対して殺細胞効果を示すことを明らかにした。また、腫瘍モデルマウスを用い、皮下移植がんの成長抑制が可能であることを実証した。 2. 項目(2)に関連して、PICを形成するカチオン連鎖のアルキルスペーサーの長さを変えることで、物質透過性の制御が可能であることを見出した。特に、スペーサー炭素数が4,5の場合は透過性が高く、架橋度の変化により放出速度が制御可能であった。また、温度を高めることで、放出速度が高まることも見出した。 3. 項目(3)に関連して、膜修飾したベシクルの細胞取り込みとその動態を明らかにした。その結果、架橋度が低く、PIC膜内にアミノ基が残っている場合に細胞取り込みが促進され、いない場合に抑制されることが明らかとなった。一方、AFM観察から、架橋度が低い場合には球状微粒子としての自律性が低く、基板上に吸着しやすいことがわかった。これらの結果から、細胞に吸着しやすいPICsomeを設計することで、細胞取り込みが促進可能であることが示唆された。また、酸性環境にて開裂するような保護基をPIC中のアミノ基に結合したところ、酸性環境に応答して取り込みが促進されることがわかった。さらに、PICsome表面に導入した環状RGDペプチドが、培養細胞に対してのみならず、マウス体内の標的細胞に対しても機能することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Polyion complex vesicles for photo-induced intracellular delivery of amphiphilic photosensitizer.2014
Author(s)
Huabing Chen, Ling Xiao, Yasutaka Anraku, Peng Mi, Xueying Liu, Horacio Cabral, Aki Inoue, Takahiro Nomoto, Akihiro Kishimura, Nobuhiro Nishiyama, Kazunori Kataoka
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society
Volume: 136
Pages: 157-163
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Development of enzyme-loaded PICsomes for enzyme/prodrug therapy
Author(s)
Y. Anraku, M. Kamiya, S. Tanaka, T. Nomoto, K. Toh, Y. Matsumoto, A. Kishimura, M. R. Kano, Y. Urano, N. Nishiyama, K. Kataoka
Organizer
40th Annual Meeting & Exposition of the Controlled Release Society
Place of Presentation
Hawaii Convention Center, Honolulu, Hawaii, USA.
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[Presentation] Development of enzyme-loaded nano- sized polyion complex vesicles (PICsomes) for enzyme/prodrug therapy
Author(s)
Y. Anraku, A. Kishimura, M. Kamiya, S. Tanaka, T. Nomoto, K. Toh, Y. Matsumoto, M. R. Kano, Y. Urano, N. Nishiyama, K. Kataoka
Organizer
第35回日本バイオマテリアル学会大会
Place of Presentation
タワーホール船堀、東京
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