2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規高精度赤外分光光度計の開発とそれを用いた巨大膜蛋白質のプロトンポンプ反応追跡
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23685040
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
久保 稔 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 准教授 (90392878)
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Keywords | 膜タンパク質 / 時間分解赤外分光 / プロトンポンプ / チトクロム酸化酵素 / フェムト秒レーザー / 光反応 |
Research Abstract |
本研究は、平成21-22年度の科学研究費補助金(若手研究(B)、「超高感度時間分解赤外分光装置の開発と生体系プロトンポンプ機構の解明」)により援助を受けた研究を発展させるものである。超高感度時間分解赤外分光装置は、平成22年度に、回転セルとの組み合わせで完成させた。本研究の目的は、この装置をフロー型に発展させて、チトクロム酸化酵素のプロトンポンプ反応を追跡することである。特にカルボキシル基のCO伸縮振動の領域(1700-1800cm^<-1>)に着目し、プロトンの脱着に重要なAsp/Glu残基を明らかにする。 本年度は、フローセルの開発を行った。フローセルの断面積は0.5mm×0.05mmとした。0.05mmは光路長に相当する。この光路長は従来の装置では扱えない長い光路長であるが、超高感度時間分解赤外分光装置を用いれば、0.05mmの光路長でもCOOHの信号を精度よく捉えられる。このことは、回転セルを用いた予備実験で確認した。 フローセルは、0.05mm厚のテフロンスペーサー内に流路を作り、2枚のフッ化カルシウム窓板で挟んで作成した。またフローのためのシリンジポンプは自作し、1kHzの赤外パルス照射と同期して試料を流すことを可能にした。テストとして、このフローセルを用いてCO結合型チトクロム酸化酵素(0.5mM)のCO光解離後の時間分解赤外差スペクトルを測定し、Fe_<a3>からCU_BへのCOの移動の観測に成功した。感度は<70μODであり、COOHのプロトン化・脱プロトン化の観測に十分な感度を有していることが確認された。プロトンポンプを観測するためには、フロー試料にO_2を混合する必要がある。そのためのシステムを開発することが次の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フローセルの開発には成功したが、O_2を混合するシステムがまだ開発中のため。
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Strategy for Future Research Activity |
フロー試料にO_2を混合するシステムを開発し、O_2還元反応に伴うプロトンポンプを追跡する。02を混合する一つの方法は、シリコンのようにO_2透過性の高いチューブをフローの途中に設け、そのチューブの周りをO_2で満たすことである。この方法は、チトクロム酸化酵素の時間分解共鳴ラマン分光実験において過去に使用されている。
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[Journal Article] Spectroscopic identification of reactive porphyrin motions2011
Author(s)
Barabanschikov, A., Demidov, A., Kubo, M., Champion, P.M., Sage, J.T., Zhao, J., Sturhahn, W., Alp, E.E.
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Journal Title
J.Chem.Phys.
Volume: 135
Pages: 015101(16)
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Chromium(V)-oxo and chromium(III)-superoxo complexes bearing a macrocyclic TMC ligand in hydrogen atom abstraction reactions2011
Author(s)
Cho, J., Woo, J., Han, J.E., Kubo, M., Ogura, T., Nam, W.
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Journal Title
Chem.Sci.
Volume: 2
Pages: 2057-2062
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Spectroscopic and computational characterization of Cu^<II>-OOR (R=H or Cumyl) complexes bearing a Me_6-tren ligand2011
Author(s)
Choi, Y.J., Cho, K.-B., Kubo, M., Ogura, T., Karlin, K.D., Cho, J., Nam, W.
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Journal Title
Dalton Trans.
Volume: 40
Pages: 2234-2241
DOI
Peer Reviewed
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