2011 Fiscal Year Annual Research Report
超高性能EDLC電極材料「カーボンナノジャングルジム」の創製とデバイス化
Project/Area Number |
23685041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西原 洋知 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (80400430)
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Keywords | グラフェン / ナノ材料 / 表面・界面物性 / キャパシタ / カーボン |
Research Abstract |
ゼオライト細孔内部へ炭素を充填した後にゼオライトを除去すると、ゼオライトの規則構造が転写されたカーボンであるゼオライト鋳型炭素(zeolite-templated carbon;ZTC)が得られる。ZTCは1.2nmの均一なサイズのナノ細孔をもち、かつ比表面積が2000~4000m^2/gと極めて大きいため、EDLC電極材料として有望である。また、ナノサイズのグラフェンがジャングルジムのような3次元構造を形成していることから、我々はこの材料をカーボンナノジャングルジムとも呼んでいる。従来はゼオライトに対し22wt%程度の炭素を充填し、openなナノグラフェン構造からなるエッジの多いカーボンナノジャングルジムの合成のみに成功していたが、H23年度は、新しく開発した炭素充填法「真空パルスアセチレンCVD法」により、従来よりも大量の炭素をゼオライト細孔内部に充填することに成功した。「スーパーケージ」と呼ばれるゼオライトの球状細孔1個あたり、従来は炭素原子平均36個程度の充填量であったが、H23年度にはこれを平均64個まで大幅に増やすことに成功した。調製したカーボンナノジャングルジムはエッジの量が従来のカーボンよりも大幅に少なく、キャパシタ電極としての電位窓が広いことを確認した。一方、従来のカーボンナノジャングルジムは正極耐性に難があるものの、負極としては耐久性が高く、しかも有機電解液中で最大で240F/gもの単極容量を示すことが明らかとなった。従来型のカーボンナノジャングルジムも電解液をより安定なものに替えるなどの工夫を行えば、高容量のキャパシタ電極として使える可能性が示された。H24年度は、カーボンナノジャングルジムのフィルム化による一体型高密度電極の作成およびデバイス化に取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目的としていたエッジの少ないカーボンナノジャングルジムを実際に合成することに成功し、現在論文投稿準備中である。また、従来タイプのエッジの多いカーボンナノジャングルジムに関しても、電解液の変更や非対称キャパシタ、ハイブリッドキャパシタにすることで耐久性の問題をクリアできる可能性が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度までに、カーボンナノジャングルジムの構造制御技術はほぼ確立することができた。H24年度はこれをフィルム化し、高密度化に取り組む。また、電解液の検討、非対称キャパシタ、ハイブリッドキャパシタの検討も行い、各種カーボンナノジャングルジムのもつ特性・利点を最大限引き出せるデバイス作製を行う。
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Research Products
(13 results)