2011 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算の段階的高精度化に基づいたヘテロ界面の定量
Project/Area Number |
23686089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大場 史康 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90378795)
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Keywords | 第一原理計算 / 半導体 / 界面 / 電子状態 |
Research Abstract |
酸化物半導体・絶縁体ヘテロ界面や太陽電池ヘテロ界面の構造および機能を設計する上で,界面を原子・電子レベルで定量化することが不可欠となる.本研究では,第一原理計算の段階的な高精度化に基づいた定量的計算手法を開発し,これを界面のマクロ解析および検証実験との連携のもとでヘテロ界面に応用し,界面構造・機能に関するデータセットを構築すること,そして,界面機能を決定する諸因子に基づいたデータセットのスクリーニングから制御・設計指針を導くとともに,酸化物界面や太陽電池ヘテロ界面として高いポテンシャルを有する新しい系を開拓することを目的として研究を推進した. 具体的には,ヘテロ界面の定量的計算手法の確立を目的として,第一原理計算の段階的高精度化を検討した.標準的な近似によるモデルサイズ拡大とハイブリッド法による高精度計算を,原子・電子レベルでのアラインメントに基づいて接続することにより,高い精度での大規模界面の計算を実現する基盤を構築した.これを酸化物半導本・絶縁体および太陽電池用化合物半導体のヘテロ界面に応用し,界面の電子状態およびオフセットを系統的に算出した.さらに,種々の酸化物について,第一原理計算に基づいたドーパント・点欠陥の形成エネルギーの算出を行うとともに,その結果に基づいて界面におけるドーパント・点欠陥分布のマクロ解析を行った. また,酸化物半導体薄膜の作製とその構造解析,電子状態計測,電気・光学特性の評価を行った.その結果をフィードバックすることで計算精度の検討や手法の見直しを行い,より高精度な界面の定量を実現するための手法開発を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の主目的であるヘテロ界面の定量的計算手法の確立が現段階でほぼ達成できており,すでに酸化物半導体・絶縁体および太陽電池用化合物半導体のヘテロ界面への適用を系統的に進める段階に達している.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に開発を進めたヘテロ界面の定量的計算手法を広範な材料系に適用し,計算結果の実験的検証と手法開発へのフィードバックを系統的に進めることで,より高精度なヘテロ界面の定量を目指す.また,その結果に基づいて界面の制御・設計指針を導くとともに,酸化物界面や太陽電池用化合物半導体ヘテロ界面として高いポテンシャルを有する新しい系を開拓することを目指す.
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Crystal and electronic structure and magnetic properties of divalent europium peroyskite oxides EuMO_3 (M=Ti, Zr, and Hf) : Expermental and first-principles approaches2012
Author(s)
H.Akamatsu, K.Fujita, H.Hayashi, T.Kawamoto, Y.Kumagai, Y.Zong, K.Iwata, F.Oba, et al
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Journal Title
Inorganic Chemistry
Volume: 51
Pages: 4560-4567
DOI
Peer Reviewed
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