2011 Fiscal Year Annual Research Report
高品質酸化物ナノ粒子製造のための核発生と成長過程の厳密評価用マイクロデバイス開発
Project/Area Number |
23686113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
陶 究 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 研究員 (60333845)
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Keywords | マイクロミキサ / マイクロ流体デバイス / 酸化物 / ナノ粒子 / 核発生 / 成長 / 連続製造 / 高圧高温水 |
Research Abstract |
粒子特性(粒径、分布、組成等)を制御した高品質酸化物ナノ粒子製造法としてマイクロミキサとマイクロリアクタを用いた連続式水熱合成法が注目を集めている。しかし、実用化を視野に入れて高濃度条件で合成すると、マイクロ流路内壁面での不均質核発生/成長による粒径分布の拡大・多峰化、副生成物の生成等の問題が生じる。本研究ではこの問題を解決可能な構造を有するマイクロデバイスを開発し、各種条件(温度、滞在時間、原料金属塩種、濃度等)でナノ粒子合成を行い、金属塩残存濃度、粒径、結晶構造等の情報を蓄積して平衡論、速度論の両面から核発生/成長機構を解析するとともに、所望の粒子特性を有するナノ粒子設計指針を明らかにすることを目的としている。平成23年度は以下の2点を実施した。 1.不均質核生成/成長回避型マイクロデバイスの開発 流通式水熱合成法用の不均質核生成/成長を回避するためのマイクロデバイスを開発した。マイクロミキサ内壁面での不均質核発生や混合前の原料溶液の加熱の回避を可能とする中心衝突型マイクロミキサ(改良型)の構造を決定した。また、反応管内壁面での粒子付着や結晶成長の回避を可能とする浸み出し構造型二重管を有するデバイスの構造を決定し試作した。さらに、従来のデバイスを用いたナノ粒子合成実験と並行して、適宜CFD解析を積極的に行い、デバイス各部のサイズ、細孔の径と間隔、レイアウト、流量などのパラメータの最適化を実施し、最終的なデバイス構造を決定した。 2.In-situ分析用電極設置型マイクロデバイスの開発 流通式水熱合成装置の流路内に電気伝導度測定用のマイクロ電極を複数個設置することで個々の滞在時間での残存金属塩濃度をIn-situで分析・定量し、高効率な速度論データの蓄積を行うためのデバイスを開発した。また、当該デバイスを含む電気伝導度測定システムも開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りマイクロデバイスの開発が進行したため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りマイクロデバイスを用いた酸化物ナノ粒子合成および粒子の核発生・成長過程の評価を実施する。
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Research Products
(6 results)