2013 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖修飾によるEphrin/Ephシグナルの制御機構と生理的意義
Project/Area Number |
23687032
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千原 崇裕 東京大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (00431891)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | Ephrin / Eph / 神経回路 / 糖鎖修飾 / 小胞体 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
平成24年度までの研究で、糖核酸トランスポーターMeigoがどのようにEphrin機能を制御するのか、その分子機構を解析し、研究論文として報告した (Nat Neurosci 2013)。平成25年度は、本研究結果を更に発展させる目的で、ショウジョウバエ嗅覚投射神経PNの樹状突起ターゲティングにおけるEphrin/Ephシグナルの役割解明を試みた。その結果、Ephrin/Ephシグナルが、「特定の」PN樹状突起ターゲティングを制御することを見出した。具体的には、約50個存在する糸球体へのPN樹状突起ターゲティングのうち、特にDA1糸球体へのターゲティングがEphrin/Ephシグナルによって制御されていることを見出した。DA1糸球体は、雌雄性行動を司る性フェロモンの感知に重要な糸球体である。次に、内在性のEphrin/Ephの発現パターンを解析する目的で、①Ephrin, Ephに対する抗体の作成、②Ephrin, Ephを検出するためのin situ 結合実験 (Eph-Fc, Ephrin-Fcを使用)を行った。しかし、これらの方法では内在性のEphrin, Ephを感度良く検出することはできなかった。よって、平成26年度は、内在性のEphrin遺伝子, Eph遺伝子を操作することにより、Ephrin, Ephの発現パターンを解析する(今後の推進方策を参照)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的「Ephrinの機能調節解明」を目指して研究を行った結果、Meigoを介したEphrin糖鎖修飾を既に見出し、論文を発表している。現在、本研究結果を更に発展させる目的で、PN樹状突起ターゲティングにおけるEphrin/Ephの機能解析にまで研究を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで内在性のEphrin/Ephの発現パターンの検出には成功していない。よって本年度は、最新のゲノム編集技術CRISPRを用いることによって内在のEphrin, Eph遺伝子を標識し、発生過程における本来のEphrin, Ephの発現パターンを解析する。
|