2011 Fiscal Year Annual Research Report
カイコのフラボノイド繭の分子基盤とその生物学的意義の解明
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23688008
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
大門 高明 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫成長制御研究ユニット, 主任研究員 (70451846)
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Keywords | カイコ / フラボノイド / 繭 / ポジショナルクローニング |
Research Abstract |
平成23年度は、カイコのフラボノイド繭関連座位Ga,Gcのポジショナルクローニングを行うための交配および、カイコB8斑油系統から分離する蛍光繭/非蛍光繭個体の固定を進めた。また、カイコを含む鱗翅目昆虫ではRNAi法が適用できないために、フラボノイド繭関連座位の機能証明実験を組むことに困難が生じると予想された。そこで、フラボノイド繭関連遺伝子の機能解析をin vivoで行うための実験系を開発するために、明確な表現型がでると期待される遺伝子をターゲットとするTAL Effctor Nuclease(TALEN)の構築を行い、mutation検出のためのコントロール実験を行った。また、カイコの近縁種である、イチジクカサン、テンオビシロカサンの飼育法を確立することができ、発育成長の特性を明らかにすることができた。カイコの近縁種の生態学的特性を明らかにするために、野外での生育調査を行うとともに、性フェロモン分析と行動試験を行なったところ、1.イチジクカサン、テンオビシロカサンの両種は同所的に分布すること、2.両種の性フェロモン成分はほとんど同一であること、3.両種のコーリング時間(性フェロモンを放出する時間帯)は異なっており、時間的な住み分けがなされていること、などが明らかになった。なお、実験室内で継代した範囲では、両種ともに休眠性がないことが示唆された。また、カイコ近縁種の繭を大量に収集することができ、繭層に含まれるフラボノイド成分を同定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間は通常よりも短かったものの(昨年度秋に追加採択されたため)、予定した実験を順調に行うことができ、投稿論文を3報発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進捗しており、当初計画どおりに研究を遂行していく。
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[Journal Article] Precocious metamorphosis in the juvenile hormone-deficient mutant of the silkworm, Bombyx mori2012
Author(s)
Takaaki Daimon, Toshinori Kozaki, Ryusuke Niwa, Isao Kobayashi, Kenjiro Furuta, Toshiki Namiki, Keiro Uchino, Yutaka Banno, Susumu Katsuma, Toshiki Tamura, Kazuei Mita, Hideki Sezutsu, Masayoshi Nakayama, Kyo Itoyama, Toru Shimada, Tetsuro Shinoda
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Journal Title
PLoS Genetics
Volume: 8
Pages: E1002086
Peer Reviewed
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[Journal Article] Molecular phylogeny, laboratory rearing, and karyotype of the bombycid moth, Trilocha varians (Lepidoptera : Bombycidae : Bombycinae)
Author(s)
Takaaki Daimon, Masaya Yago, Yu-Feng Hsu, Tsuguru Fujii, Yumiko Nakajima, Ryuhei Kokusho, Hiroaki Abe, Susumu Katsuma, Toru Shimada
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Journal Title
Journal of Insect Science
Volume: (in press)
Peer Reviewed
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