2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規薬効標的分子の探索を目指した尿酸の全身動態モデルの構築
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23689008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高田 龍平 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90376468)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 薬理学 / 生理学 / ゲノム / トランスレーショナルリサーチ / トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
近年のゲノム研究の進展を契機として多くの血清尿酸値の個人差規定因子が見出されたが、その尿酸動態制御機構については、腎臓での尿酸再吸収を担う urate transporter 1 (URAT1/SLC22A12)、glucose transporter 9 (GLUT9/SLC2A9) に関して示されたのみであり、痛風の主要な病因遺伝子である尿酸排出ポンプ breast cancer resistance protein (BCRP) / ATP-binding cassette transporter G2 (ABCG2) を含む多くの因子の尿酸動態における役割は未解明のままであった。 本研究は、ヒト尿酸代謝モデルマウスを用いてBCRP/ABCG2機能低下による血清尿酸値上昇の機序解明を行うとともに、ゲノムワイド関連解析やマイクロアレイ解析などで見出される尿酸トランスポーター候補分子の生理機能を明らかにし、尿酸の全身動態モデルを構築すること、および、構築されたモデルを用いて新規尿酸動態制御薬の薬効標的分子を探索することを目的としている。 研究開始最終年度にあたる本年度(平成26年度)には、BCRPと尿酸疾患の関連性に関するさらなる知見と、他の尿酸トランスポーターの生理的役割についての新たな知見を得ることができた。 BCRPと尿酸疾患との関連性については、BCRPの遺伝子多型による機能低下が、生活習慣に関連する飲酒や肥満よりも強い影響力を持つことを示すことができた。 他の尿酸トランスポーターの生理的役割については、SLCトランスポーターであるNPT1/SLC17A1とOAT4/SLC22A11が尿酸輸送能を有し、それらのトランスポーターの遺伝子多型が(尿中)尿酸排泄低下型高尿酸血症・痛風の発症リスクに影響を与えることが明らかとなった。現在、他の尿酸トランスポーター候補分子に関しても検討を行うとともに、尿酸の全身動態モデルの構築を進めている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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