2012 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の主要制御分子HIFを中心とした治療標的の包括的探索
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23689065
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30456107)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 軟骨細胞 / 再生医療 |
Research Abstract |
組織・時期特異的ノックアウトマウスを用いた変形性関節症モデルの解析については、研究協力関係にある東京大学医学部附属病院循環器内科から提供されたHif1a-flox, Hif2a-floxマウスと、海外から提供されたタモキシフェン誘導性Col2a1-creマウス(Col2a1-creERT)を交配させ、変形性関節症モデルの作成と解析を継続的に行っている。 組織・時期特異的トランスジェニックマウスを用いた変形性関節症モデルの解析については、トランスジーンを受精卵にインジェクションしてF0,F1マウスを選別している段階であり、まもなくCol2a1-creERTマウスと交配させて解析を行う。 HIFの発現パターンの解析については、関節軟骨の変性の程度と相関することとは別に、関節軟骨の中の発現部位がHIF1AとHIF2Aで異なることが明らかとなった。それぞれの特徴的な発現部位が疾患にどのように関与しうるかを現在検討している。 また関節軟骨の酸素供給量を解析するため、東京大学大学院薬学系研究科と共同で低酸素プローブを用いた解析を開始した。これまでの基礎検討で、関節軟骨表層の低酸素領域の描出法を確立した。 In vitroでの解析については、HIF1A、HIF2Aの標的分子の網羅的な検索のため、マイクロアレイを用いた解析を行い、リアルタイムRT-PCRにて確認作業を行っている。共通の標的、それぞれ独自の標的のほか、お互いの間にも何らかの制御機構があることが分かり、そちらの解析も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスを用いたin vivoの解析、細胞を用いたin vitroの解析とも、当初の想定の範囲である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にトランスジェニックマウスを用いた解析の結果を含め、in vivoでの作用を包括的に評価する。発現パターンを詳細に解析して低酸素領域の解析結果と照合するほか、in vitroの解析にて新たなシグナル経路の有無を探索する。
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