2011 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン免疫沈降シーケンス法と遺伝学的手法による骨形成性転写ネットワークの解明
Project/Area Number |
23689079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大庭 伸介 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (20466733)
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Keywords | 骨形成 / 転写ネットワーク |
Research Abstract |
骨芽細胞前駆細胞が骨芽細胞へと分化する一連の過程において、必須の分化調節因子であるWnt/β-catenin経路・Runx2・Osxとそれらの標的遺伝子により形成される転写ネットワークを解明し、上記の分子群が骨形成を制御するメカニズムを分子レベルから個体レベルに渡って明らかにすることにより、骨再生医療へと展開する基礎的知見を収集することが本研究の最終目標である。この目標を達成するために、クロマチン免疫沈降-シーケンス法(ChIP-seq)とマイクロアレイ、およびバイオインフォマティックスの手法を用いたデータ解析を行う。 1.Biotin-3xFLAGタグノックインマウスの作出 初代細胞を用いた効率的なChIPを行うため、Biotin-3xFLAG複合タグ(BioFLタグ)がRunx2,Osx,β-cateninの各遺伝子座C末に挿入されたノックインマウス3系統を、ES細胞の遺伝子ターゲティングによりそれぞれ作出した。各系統についてF2世代のホモノックインマウスを得た。現在までに、Biotinタグのビオチン化に必要な大腸菌のビオチンリガーゼBirAを全身性に発現するノックインマウス(Rosa26^<Bira/BirA>)と交配し、BioFLタグとBirAの複合ヘテロノックインマウスまで得ている。 2.β-catenin,Runx2,Osxに対するChIP-seq 上記の複合ヘテロノックインマウスの新生仔の頭蓋骨から骨芽細胞・前駆細胞を採取し、細胞において、β-catenln、Runx2、Osxに対するChIPを抗FLAG抗体及びストレプトアビジンビーズを用いて行う。Solexa Genome Analyzerによるシーケンシングを行い、ChIPDNAの配列データを得ており、現在データの解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画通り、Biotin-3xFLAGタグノックインマウスの作出と複合ノックインマウスの作出まで完了し、一次データの取得まで行うことかできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗は非常に良好であり、遂行上の問題点はない。来年度は、データの解析が主たる作業となると考えられ、その後は解析結果に基づいて立てられた仮説の立証へと続く。仮説の立証にあたっては、当初の計画通り、分子細胞生物学的手法に基づいて行われる。遺伝子改変マウスの利用が必要となった際には、柔軟に対応し、新たなマウス系統の樹立も含めて、研究を遂行したいと考えている。
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