2011 Fiscal Year Research-status Report
広域空間の容易な知能化のための構成支援システムに関する研究
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23700237
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
森岡 一幸 明治大学, 理工学部, 講師 (40408711)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | インテリジェントルーム |
Research Abstract |
本年度は、ランダムに配置されたセンサのキャリブレーションおよびセンサ間の位置関係把握の自動化に関するシステムについて研究を行なった。本研究では構築する知能化空間のタスクを複数人物の追跡と位置同定とし、ネットワーク接続された、レーザ測域センサ、カメラを使用している。なお、統一的な世界座標系に対しての位置姿勢を各センサごとに算出することを本研究で行なうキャリブレーションとしている。各センサはランダムに配置されており、視野、計測範囲は十分に重なっておらず、同一対象の追跡だけでは相互の位置関係を知ることが出来ない場面を想定する。本研究では、移動ロボットのナビゲーションにおいて盛んに研究されている自己位置と地図の同時推定問題(SLAM)を拡張して、分散配置されたセンサの測定結果と移動ロボットの自己位置推定結果および生成した地図を用いて、ロボットだけでなくセンサ位置も同時に推定する手法を開発した。FastSLAMの枠組みにおいて、状態変数として分散配置したセンサ位置姿勢を加え、移動ロボットが分散配置された測域センサの測定範囲内を走行する場合のロボットと環境の相互作用による、ロボットの地図生成および自己位置推定の高精度化と、環境側のレーザ測域センサの位置姿勢の同時推定を行なっている。通常のSLAMでは移動ロボットに搭載したレーザ測域センサによる測定結果と過去に生成した地図情報、自己位置にに基づき、最適な現時刻の地図と位置を推定する。本研究では、ロボット自身が推定した過去の情報だけでなく、環境側のレーザ測域センサが生成した環境地図も合わせて評価の対象とすることで、環境側の地図の推定結果を制約条件とした、SLAMの高精度化が実現できた。さらに、環境側のセンサ位置・姿勢も移動ロボットの推定に基づき、その走行に応じて補正されていく様子を実験により確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績の概要に述べたとおり、移動ロボットおよび環境側に配置したレーザ測域センサからなる実験システムを構築し、本研究課題における提案手法により、環境側のセンサのキャリブレーションが概ね正しく行なうことができることを確認できた。今年度の到達目標の一つである、ロボットと環境側センサの相互作用によるセンサの自動キャリブレーションのためのアルゴリズムの開発は達成できたといえる。また、知能化空間の長期安定性に関しては、環境側での動的な推定結果を反映したキャリブレーションの枠組みが開発できているため、安定性の向上に有効に働くものと想定される。以上より、研究はおおむね順調に進展しているものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
インタラクティブな知能化空間構成支援システムを開発し、知能化空間の構築にかかる時間を短縮することが今後の目的の一つである。今年度までに、設置位置姿勢が未知の複数台のネットワークカメラを対象として、それぞれRTコンポーネント化された、移動ロボット、キャリブレーション済みステレオカメラ、GPU高速処理モジュールからなる、カメラキャリブレーション支援システムを開発済みである。次年度は、まずこのシステムの有効性を確認、評価する必要がある。また、レーザ測域センサと測定結果をローカルに処理するコンピュータから成るセンサデバイスを、環境への配置を容易にするために、小型化、無線化する作業を行なっている。このセンサデバイスを用いて、知能化空間の構成デモンストレーションを実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上述したセンサデバイスの小型化、無線化のためのコンピュータ、無線機器、電子部品等を購入する。広域環境を知能化するためには多くのセンサが必要となるため、環境側に配置するレーザ測域センサ、カメラを追加する予定である。また、研究成果報告のための学会出張、参加費、論文投稿料にも支出する。
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Research Products
(10 results)