2012 Fiscal Year Research-status Report
広域空間の容易な知能化のための構成支援システムに関する研究
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23700237
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
森岡 一幸 明治大学, 理工学部, 准教授 (40408711)
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Keywords | インテリジェントルーム / 移動ロボット |
Research Abstract |
前年度に引き続き、広域空間を容易に知能化するための分散センサ群のキャリブレーション、センサ間の位置関係把握の自動化に関するシステムについて研究を行なった。 まず、様々な広さ、形状の空間における有効性を評価するために、前年度に開発したSLAMアルゴリズムに基づくロボットおよび分散センサ群の位置・姿勢の推定手法を実際のシステムとして実装した。小型の組込みコンピュータとレーザーレンジファインダにより構成される分散センサ群のセンサデータ収集、地図生成、センサ位置・姿勢の推定、および移動ロボットの制御、地図生成といったシステムを構成する要素をRTコンポーネントとして実装し、その動作検証を行なっている。 また、空間知能化のための分散センサのプロトタイプとして、FPGAベース画像処理機能とZigbee無線ネットワーク機能を搭載したカメラセンサノードを開発した。センサ間の位置関係を無線強度と画像の視野方向に基づいて推定する手法を導入することで、作成したセンサノードを設置するだけで互いの位置関係が自動認識され、センサノード間でのシームレスな移動体の追跡が行えるシステムを構築することができた。 これらにより、研究者や設計者の経験になるべく依存せずにセンサ位置姿勢やセンサ同士の位置関係の把握を自動的に行い、知能化空間を用意に構成できるようになるが、空間にランダムにセンサを固定設置した場合、センサの観測領域にムラが生じて追跡と位置同定のタスクを確実に遂行できないという状況が頻繁に発生する。その対処のため本研究では、周囲の環境地図を自動生成し、移動体がその地図を利用して位置同定を行なうことのできる機能を搭載した移動ロボットを、固定センサ群を補完する知能化空間のセンサとして導入するためのシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としている、広域空間を容易に知能化するための分散センサ群のキャリブレーション、センサ間の位置関係把握の自動化に関する一部の機能については、センサ群をランダムに配置するだけで、知能化空間を用意に構成できるシステムとして実装することができ、その有効性を実験的に確認することが出来た。 24年度以降の計画として、ランダムにセンサが配置された場合の知能化空間が移動体追跡等のタスク遂行に不十分である場合の対処方法として、当初はインタラクティブな知能化空間構成支援システムの開発を目標としていたが、方向性を変更して移動ロボットを用いた固定センサ群を補完するシステムを考案し、基本的な地図生成や移動体の位置同定の機能については開発することが出来た。 以上、問題点の解決方法に若干の変更はあるものの、研究はおおむね順調に進展しているものと評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
ランダム配置の固定センサ群による知能化空間を様々な環境で構築し、提案手法と開発したシステムの有効性を確認することが必要である。 また、移動ロボットによる補完システムと固定センサ群による知能化空間を連携させた移動体(人間)の位置同定システムを構築し、拡張現実感などのアプリケーションを実行することで、デモンストレーションを行なうことを目標としている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
システム構築のための機器の購入と、デモンストレーションのためのソフトウェア開発(謝金)および、研究成果の発表のための旅費に主に使用する。
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Research Products
(17 results)