2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700262
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺園 泰 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 研究員 (90435785)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | モーメント / 劣決定 / 独立性 / 逆問題 / ノルム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,画像・音声などをはじめとする多次元データについて,その統計量の一種である n 次モーメントに着目し,n 次のモーメントがどのような情報を担っていて,どのように特徴を記述できるか検討すること,また n 次モーメントを利用した信号の復元の可能性などを検討することを目的の一部としている. 今年度は,モーメントを利用した情報復元について引き続き検討を行った.元の多次元データから,観測信号がその線形結合で得られる場合のうち,特に,元の変数より観測変数が少ない劣決定(あるいはオーバーコンプリート)である状況を問題として設定した.なお,線形結合の係数は既知とした.この問題では,観測だけでは不足する元信号に関する知識をどう仮定して手法を構成するかがポイントとなる.前年度は,信号の独立性を仮定し,モーメントをまず推定してから,推定値を基に元の変数に関する最適化問題を構成することを試みた.今年度は,元の変数に予め設定する最適化問題によって,モーメントの対角性が向上できるかを検討した.それにあたり,この分野で提案されている FOCUSS という手法中で,要素の絶対値の対数値(ある意味でl0ノルムというべきものだが,よく言われる非零要素数としてのl0ノルムとは異なる)を最小化することに相当することが可能であることに着目した.数値例で比較したところ,l2ノルム最小化よりもl1ノルム最小化の方が,さらにl1ノルム最小化よりもこのl0ノルム相当の量を目的関数として置いた場合の方が,2次モーメントの対角性が高くなる傾向を確認した.これにより,一旦モーメントを推定するという前年度までの方法と,最初から元変数について最適化を行う方法について,比較及び統合を検討できるようになった.
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