2012 Fiscal Year Research-status Report
異なる解探索を行う種による共進化型進化計算に関する研究
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23700273
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Research Institution | Chuogakuin University |
Principal Investigator |
田村 謙次 中央学院大学, 商学部, 准教授 (30367635)
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Keywords | ハイブリッド / 共進化 / 遺伝的アルゴリズム / 分布推定アルゴリズム / 進化的計算 |
Research Abstract |
研究目的として挙げた内容は「進化的計算における解の局所的な探索と良質な解の破壊を回避することによる解探索の高精度化・高速化を目的としている」であり、その成果の一つとして、国際会議において、Hybrid Algorithm Using Genetic Algorith and EDA Introducing Partial Searchという題目で発表を行った。これは、大域的な探索と局所的な探索を行う手法であり、一般的なベンチマーク問題においては、従来手法と比較して、良好な解探索を実現することが出来た。また、研究成果の具体的な実問題(我々の社会に現実に存在し、大規模で複雑な問題)への適用として、タンパク質の立体構造推定問題およびビデオゲームでのエージェントコントロールの研究を行った。 立体構造推定問題に関しては、補助事業期間延長承認申請書でも述べたように、これまで検討していた提案システムを離散的な情報表現ではなく、連続値に変更することで、より汎用的な適用が可能な手法の導入を行なっているが、これは近年のスーパーコンピュータの医学的応用や生命科学技術の急速な革新を鑑みたものである。また、エージェントへの適用に関しては、進化的手法を用いて自動的にエージェントを生成する手法であり、2編の発表を行い一定の成果を挙げているが、本研究の特長である局所的な探索手法を導入するまでには至っておらず、今後の実装が必要な段階である。エージェントへの適用は、大規模になった開発への負担軽減や教育などへの応用などが考えられる。研究成果は、本研究の基礎となる内容1編、エージェントに関する内容2編の発表を行った。また、現在、エージェント関連で発表した会議においてセレクトされた論文をジャーナルに投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の目的において明らかにしようとしていたことは、(1)部分解個体群を用いたGAとEDAのハイブリット化(2)部分解における依存関係利用(3)依存関係を利用した解破壊の回避(4)定性的・定量的解析と応用問題への適用、であり、(1)~(3)は概ね順調に達成できたが、(4)に関しては途中段階である。その理由としては、具体的な応用問題に関しては、適応問題特有の特徴などがあり、提案システムをそのまま実装できる訳ではないので、その実装処理およびパラメータの調整、さらに提案手法の有効性を示すための問題が実問題であるため、コンピュータ上での計算処理に膨大な時間が掛かったことにある。そのため、高速化のために予定に挙げていた並列化に関して着手する時間を確保することが困難であった。論文投稿などにおいては、補助事業期間延長承認申請で述べたシステムの仕様変更、およびセレクトされた論文のジャーナルへの投稿などによる予定の変更があり、成果発表において研究期間を過ぎることとなった。また、補足事項としては、適用問題に1つに絞るのではなく、構造推定問題とエージェントの2つの問題への適用を行なったことに関しては、適用問題の規模が大きいため計算時間が膨大に掛かることから、一方の適用問題を実装している間に、もう一方の実験を行うことにより、並行して研究を行うことが可能であったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度において、タンパク質の立体構造推定について国際会議で発表を行う予定であったが、近年のスーパーコンピュータの医学的応用や生命科学技術の急速な革新に鑑みて、これまで検討していた提案システムを離散的な情報表現ではなく、連続値に変更することで、より汎用的な適用が可能な手法を導入し、International Conference on Informatics Engineering & Information Science (ICIE S2013, Nov)での発表を行うこととし、また、エージェントへの適用に関しては、研究成果のジャーナルへの投稿を検討していたが、平成24年度に発表を行ったIES2012において、発表論文の中から2013年11月発行予定のジャーナルへの投稿に選ばれたのでその投稿を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タンパク質の立体構造推定問題に関する成果を国際会議での発表における「旅費」および、参加に関しての「その他」の費用に充て、ゲーム関連のエージェント研究においては、平成24年度に発表を行ったIES2012において、発表論文の中から2013年11月発行予定のジャーナルへの投稿に選ばれたので、未使用額を投稿に必要な経費に充てる。
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Research Products
(3 results)