2013 Fiscal Year Research-status Report
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23700313
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 美里 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (50444493)
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Keywords | 比較認知発達 / 物の操作 / 道具使用 / チンパンジー / オランウータン |
Research Abstract |
チンパンジーとヒト幼児を対象におこなってきた、物の操作を指標とした一連の認知発達課題をさらに発展させることで、ヒトを含む霊長類の比較認知発達スケールとして確立することを目的として研究をおこなった。非言語性の対象操作課題を直接対面場面で実施することで、ヒトとヒト以外の霊長類を同一の尺度で比較することができる。飼育下のチンパンジーの行動観察と飼育作業に携わり、とくに四肢麻痺を発症したチンパンジーの行動の回復過程についてまとめ、英語論文として公表した。飼育下チンパンジーの環境エンリッチメントやストレス評価についての研究にも関与している。飼育下のチンパンジーだけでなく、西アフリカ・ギニア共和国・ボッソウ周辺にくらす野生チンパンジー、および唯一アジアにくらす大型類人猿であるオランウータンを対象とした研究への関与を続けている。大型類人猿の全4種について、飼育下と野外の双方で観察をおこなってきたため、ヒトに近縁な種の認知発達について、基礎的な資料を得ることができている。これらの結果をもとに、ヒトおよび大型類人猿の種間比較についての発表をおこなった。ヒトについて、自身の子を対象とした観察と認知課題の実施をおこなっている。飼育下および野外でのチンパンジーなどの大型類人猿を対象におこなってきた、行動発達と母子関係の長期観察から得られた知見との比較をおこない公表した。日常の行動観察と認知発達課題を併用することで、物の操作や道具使用の進化や、ヒト化の要因、およびヒトの発達・育児への示唆などについて多角的な視点から検討をおこなうことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
育児中ということもあり、チンパンジーを対象とした直接対面場面での課題の実施および海外渡航調査は本年度内にはおこなわなかった。全体の進捗状況としては、飼育下のチンパンジーを対象とした研究およびヒトの子どもを対象とした研究を中心に進展があり、大きな問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
飼育下のチンパンジーを対象とした研究については、日常の行動観察および個体を限定しての対面場面再開、もしくは完全な同室をしない場面での課題実施を検討し、研究の進展をはかる。ヒトの子どもについて、個別のテスト場面や集団場面での観察を含め、チンパンジーなどの大型類人猿と比較可能な形で課題を実施する。調査や成果発表のための国内外出張を再開し、マレーシアにおけるオランウータンの認知発達研究などへの参与を継続しておこなう。
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[Journal Article] Intracranial arachnoid cysts in a chimpanzee (Pan troglodytes)2014
Author(s)
Miyabe-Nishiwaki, T., Kaneko, T., Sakai, T., Kaneko, A., Watanabe, A., Watanabe, S., Maeda, N., Kumazaki, K., Suzuki, J., Fujiwara, R., Makishima, H., Nishimura, T., Hayashi, M., Tomonaga, M., Matsuzawa, T., Mikami, A.
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Journal Title
Primates
Volume: 55
Pages: 7-12
DOI
Peer Reviewed
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