2013 Fiscal Year Research-status Report
未観察交絡要因があるときの因果推論の方法に関する研究
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23700344
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
千葉 康敬 近畿大学, 医学部, 講師 (80362474)
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Keywords | 因果推論 |
Research Abstract |
平成25年度は、論文4編とbook chapter 2編が出版された。すべて筆頭著者である。また、国際学会において2回発表した。そのうちの1回はinvited sessionでの発表である。 原因と結果の間の関係を調べる観察研究のセッティングにおいて、未観察交絡要因があるときの感度解析の1つの手法を提案した(Annals of Biometrics and Biostatistics)。このような感度解析の手法は多く提案されているが、この研究では、propensity scoreを予測するときの回帰モデルで未観察交絡要因を考慮しようという、1つの新しい試みを行っている。 昨年度に引き続き、主要層別効果に関する研究も進んでいる。これまでの研究成果はbook chapterにまとめられ、また、平成25年度のJoint Statistical Meetingのinvited sessionで発表した。さらに、多少厳しい前提条件を必要とするが、評価項目が生存期間である場合の主要層別効果の推定法も提案した(Clinical Trials)。 主要層別効果の考え方を、「人から人へ感染する」ということも考慮に入れる感染症ワクチンの臨床試験に応用することが、最近議論されている。最近の研究結果をbook chapterにまとめた。加えて、さらに発展させた内容についての結果を、Open Journal of Statisticsのspecial issueで発表した。 直接効果・間接効果の研究も進めている。主要層別効果に関する成果とともに、これまでのbook chapterにまとめた。加えて、いくつかの条件設定の下でこれらの効果の取り得る範囲を提示した論文が公表された(International Journal of Biostatistics)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、論文4編とbook chapter 2編が出版された。このことからわかるように、十分な研究成果を上げている。1つの大きな目標であった、治療群が3群以上の場合の結果も出ており、論文が採択にまで至っている。まだ残された課題は残っているが、この論文の研究成果によりゴールは見えてきたように思う。よって、あと1年の研究期間から逆算しても、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
「11. 現在までの達成度」で述べたように、これまでの研究の積み重ねにより、本研究課題のゴールは見えてきたように思う。最終年度となる次年度は、残された課題に取り組むとともに、これまでの成果をまとめ上げていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額については、今回と前回でその差は2万円に満たない。よって、今年度の使用額が非常に少なかったということはない。 出版社から本の執筆を依頼された。このことにより、論文執筆の時間が減ったのも事実である。 当初の予定通り、全体の75%程度を国際学会発表の資金に充てる予定である。残りを、英文校正等、論文公表に向けた資金に充てる。 増税のことも考慮に入れると、生じた次年度使用額はちょうどよいくらいかもしれない。
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Research Products
(8 results)