2014 Fiscal Year Annual Research Report
未観察交絡要因があるときの因果推論の方法に関する研究
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23700344
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
千葉 康敬 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (80362474)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 統計科学 / 因果推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、論文5編(内1編は教育論文)が出版された。また、国際学会において1回、国内学会において1回発表した。 未観察交絡要因がある状況で、Manskiらはいくつかの条件設定の下で因果効果の取り得る範囲を推定する方法を提案している(ここでの条件を「条件A」とする)。他方、VanderWeele、Chibaは、条件Aとは異なる条件設定の下で因果効果の取り得る範囲を推定する方法を提案している(ここでの条件を「条件B」とする)。治療群が3群以上の一般的な状況において、条件Aと条件Bの関連性を議論し、比較を行った(Journal of Causal Inference)。残念ながら一般的な理論を確立することはできなかった。しかし、これまでにこのようなことを議論した論文はなく、初の試みとして結果を残せたことには意義がある。 これまでの研究成果を踏まえた上で、主要層別効果を評価することが主流だった領域で直接効果と間接効果を評価して、その解釈を与えることも試みた。これは、がんの予防試験で重症度を評価項目とする場合のケーススタディを行うことでなされた(American Journal of Biostatistics)。 直接効果と間接効果のための推定法及び感度解析手法も議論した。主要層別効果の感度解析で提案された方法を応用することで、直接効果・間接効果の感度解析の方法を提案した(Epidemiology, Biostatistics, and Public Health)。さらに、直接効果・間接効果を主要層別で分類するという新しいアイデアを用いて、これらの効果の推定と感度解析の方法も提案した(Statistics in Medicine)。少なくともある特殊な状況では、ここで提案した方法の推定値の偏りが小さくなることを、シミュレーションに基づいて示すことができた。
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Research Products
(8 results)