2012 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質ナノ構造体を利用したsiRNA送達システムの開発
Project/Area Number |
23700561
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田畑 栄一 九州大学, 薬学研究科(研究院), 研究員 (00538928)
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Keywords | ナノバイオテクノロジー / タンパク質化学 / 分子認識 |
Research Abstract |
当該年度は、前年度に引き続きDDSキャリアとして使用するタンパク質sHsp16.5の機能改変、および調製方法の確立に取り組んだ。 まず変性状態での精製に取り組んだが、若干の夾雑タンパク質が混入した。その結果、混入した夾雑タンパク質が変性状態からの巻き戻しの際にsHsp16.5に取り込まれ、純度の改善はまだ不十分なままであった。よって、封入体から巻き戻すことでの機能性カプセルの作成は断念することにし、可溶性画分にカプセルを形成したまま発現させれば夾雑タンパク質を巻き込むことはないので、まず可溶性画分に発現させたsHsp16.5カプセルを機能性ペプチドで化学的に修飾することで機能性カプセルを作成することにした。機能性ペプチドを修飾する方法として、Ojidaらにより報告されているreactive-tag sysytemを用いることにした。これは、合成プローブZn(II)-DpaTyrがAspの連続配列からなるD4-tag(CAAAAAADDDDGDDDD)を特異的に認識し、タグ上のCys選択的に化学修飾する方法である。この合成プローブに機能性ペプチドを担持させれば、タグ特異的に機能性ペプチドを修飾することができる。モデル実験として精製が容易なマルトース結合タンパク質(MBP)のC末端側にD4-tagを融合した組み替えタンパク質を作成し、蛍光標識した合成プローブによるテスト実験を実施した。修飾したMBPを電気泳動にかけて蛍光のバンド強度を定量したところ、経時的に蛍光強度が強くなっており、またOjidaらが報告しているようにプローブ-tag相互作用を阻害するピロリン酸共存下ではほとんど反応が進行しなかった。この結果より、reactive-tag sysytemを可溶性のタンパク質に適用可能であることが確認できた。
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[Journal Article] Liver cell specific targeting by the preS1 domain of hepatitis B virus surface antigen displayed on protein nanocages2012
Author(s)
Masaharu Murata, Sayoko Narahara, Kaori Umezaki, Riki Toita, Shigekazu Tabata, Jing Shu Piao, Kana Abe, Jeong-Hun Kang, Kenoki Ohuchida, Lin Cui, Makoto Hashizume
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Journal Title
International Journal of Nanomedicine
Volume: 第7巻
Pages: 4353-4362
DOI
Peer Reviewed
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