2013 Fiscal Year Annual Research Report
褥瘡発生の主要因となる物質の同定と物理療法による発生・重症化予防
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23700602
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒瀬 智之 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (20363054)
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Keywords | 褥瘡 / 磁石 / 圧迫 / ウェスタンブロット / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
褥瘡の病態を解明するため、褥瘡の動物実験モデルを作製した。手術でラット腹膜腔に金メッキしたネオジム磁石(25×20×2 mm)を埋め込み、術後3、4日から皮膚上に別の磁石(25×20×5 mm)を当てて腹壁を繰り返し圧迫した。1日1回4時間50 mmHgで連続5日圧迫を繰り返しても、肉眼的、組織学的変化は見られなかった。しかし、1日1回4時間100 mmHgで連続5日圧迫を繰り返すと、高い割合で皮膚に壊死と潰瘍が生じた。 ウエスタンブロットで炎症性サイトカインであるIL-1βとTNF-αの量を調べた。圧力が50mmHgでは、圧迫を5回繰り返しても、IL-1βは増加しなかった。100mmHgの圧力では、1回の圧迫12時間後でIL-1βが増加し、3日後には減少していた。1日1回の圧迫を3日間繰り返すと、12時間後でも3日後でもIL-1βは増加していた。また、1日1回の圧迫を5日間繰り返すと、12時間後でも3日後でもIL-1βは増加し、3日後ではIL-1βがより増加していた。 TNF-αは、1日1回4時間50 mmHgで連続5日圧迫を繰り返しても、発現が確認できなかった。圧力が100 mmHgでTNF-αは増加したが、IL-1βより変化が乏しかった。圧迫の繰り返しはTNF-αの量に影響しなかった。また経時的な変化もみられなかった。
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Research Products
(4 results)